(画像)Dilok Klaisataporn/Shutterstock
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北朝鮮・日本と韓国へ宣戦布告!? 金正恩は娘を後継に中国らと連携するか

北朝鮮が核や新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発などで、脅威を強めている。独裁体制を敷く金正恩朝鮮労働党総書記だが、このところ、長女のジュエ氏を引き連れて表舞台に登場する機会が増えているのだ。北朝鮮と関係の深い中国が台湾を侵攻する可能性が高まっており、「金王朝」3代目と4代目候補の父娘タッグがこの機に乗じて韓国、そして日本に攻撃を仕掛ける悪夢のシナリオが浮上した――。


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北朝鮮が2022年11月18日、新型ICBM「火星17」の発射実験を行った際、正恩氏と共に発射場に立ち会ったのがジュエ氏だった。公の場に登場するのは初めてだった。北朝鮮の最高人民会議はこの日を「ミサイル工業記念日」に制定するほどの念の入れようで、ジュエ氏の権威を高めようとする思惑は明らかだった。


ジュエ氏はその後もミサイル発射実験や軍事パレード、さらには養鶏場の視察まで正恩氏に同行しており、表に出てくる機会は20回以上を数えている。


ジュエ氏について、韓国の情報機関・国家情報院の院長に指名された趙太庸氏は「後継者とみて検証すべきだろう」と警戒心を示す。別の高官も「ジュエ氏が後継者であることを念頭に置く」と表明するなど、ジュエ氏が後継者に内定したとの見方を強めているほどだ。


だが、正恩氏には実の妹で、超ドS的な目つきも話題になる金与正党副部長がいる。なぜ、まだ10歳前後とされるジュエ氏を後継者に仕立て上げようとしているのか。


「40歳前後とされる正恩氏の体重はトップシークレットだが、150キロ近くあるとみられ、健康問題が指摘されている。独裁政権ではあるものの、内部から病気や体調不良を理由にしたクーデターでトップの座から引きずり降ろされる恐れもあるため、早急に後継者を決めることで、金一族の権力基盤を固めたいという狙いがあるのではないか」(外交関係者)


正恩氏には長男の存在も確認されており、後継の時期については不透明な部分もあるが、いずれにしても、正恩氏がジュエ氏の権威を高めようとしているのは確か。そして、父娘はどのような行動に打って出るのか。

反米国家が連携する!?

思い出されるのが、2010年11月の出来事だ。韓国の延坪島で、韓国軍に朝鮮人民軍が砲撃し、韓国側の軍民合わせて23人が死傷する事件があった。実はその直前、当時総書記だった金正日氏が、後継者と目されていた正恩氏と共に、人民軍の砲兵隊を視察していたのだ。

その後、最高指導者となった正恩氏は、国民が飢餓に陥っても構わずに莫大な予算を軍事に注ぎ込み、核とミサイル開発に注力している。アメリカや韓国などに対抗して「戦争準備の完成に一層拍車を掛ける」よう朝鮮人民軍や核兵器部門などに指示した。


「アメリカ本土を射程圏内に収め、液体燃料式より短時間に奇襲的に発射できる『火星18』用の発射台付き車両が量産態勢にあることも誇っています」(北朝鮮ウオッチャー)


その北朝鮮が連携強化を進めているのがロシアとの関係だ。正恩氏は昨年9月にプーチン大統領と会談して以降、ロシアにミサイルや弾薬などを供与している。プーチン氏は見返りにミサイル技術を提供し、北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げに協力したとされる。


さらに、中国の動きも注視されている。アメリカのオースティン国防長官は昨年11月に「中国とロシアが北朝鮮を手助けしている」と批判した。


「バイデン政権では、中国とロシア、イラン、そして北朝鮮を『新悪の枢軸』と呼んでいます。反米国家が連携することに深刻な懸念を抱いているようです。特にカギを握るのが中国の存在で、与党・民進党が勝利した台湾総統選を受け、軍事侵攻を含めたあらゆる手段で台湾統一を進めるとみられており、北朝鮮も連携していくと考えられています」(大手紙外信デスク)

父と同じく暗殺や粛清に打つ

中国が台湾を侵攻する事態となった場合、北朝鮮がまず隣国の韓国を標的にするのは必至。正恩氏は韓国を「主敵」と呼んでおり、今年1月5日にも、朝鮮人民軍が韓国領に向けて200発以上の砲撃を行った。

韓国に本格攻撃を仕掛けると同時に、もう一つの敵国となるのが日本だ。


「中国が台湾を攻め、沖縄県の尖閣諸島をも奪う動きに呼応して、北朝鮮が日本を狙ったミサイル攻撃を仕掛ける可能性がある。この場合もジュエ氏が部隊を視察し〝開戦宣言〟〝宣戦布告〟を行うなどして、権威を高めることになるだろう」(安全保障専門家)


正恩氏は最高指導者になった後、もう一つ特徴的な行動を取っている。2017年2月に実兄の正男氏を暗殺した。マレーシア・クアラルンプールの国際空港で、テレビのいたずら番組だと思い込んでいたとされる女2人が、正男氏に猛毒のVXガスを吸わせて殺害し、世界に衝撃を与えた。


前出の大手紙外信デスクはこう指摘する。


「ジュエ氏の権威を高めれば高めようとするほど周囲の反発は強まり、彼女の命を狙うような動きが出てくることも十分考えられます。逆にジュエ氏側は不穏な動きを抑え込むため、正恩氏がやったような一族や最高幹部などの暗殺や粛清に打って出るでしょう」


1月14日、北朝鮮は新たに開発した固体燃料式の中距離弾道ミサイルを発射した。ミサイル発射は今年初。日韓への宣戦布告は〝射程圏内〟に入った。