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『「鬼滅の刃」に学ぶ絶望から立ち上がるための27の言葉』~本好きのリビドー/昇天の1冊

『「鬼滅の刃」に学ぶ絶望から立ち上がるための27の言葉』(笠倉出版社/900円+税)
『「鬼滅の刃」に学ぶ絶望から立ち上がるための27の言葉』(笠倉出版社/900円+税)

テレビアニメ第2期の放送が決定するなど、ブームが終わらない『鬼滅の刃』。老若男女の幅広い支持を受けているが、「最高齢ファン」を自負する大学の先生が、鬼滅から人生訓を学ぶという本を出版した。『「鬼滅の刃」に学ぶ絶望から立ち上がるための27の言葉』(笠倉出版社/900円+税)だ。

著者は合田周平氏、88歳。電気通信大学名誉教授だ。その合田氏と、「ボク」と名乗るブックライターの堀田孝之氏との対話形式で話が展開される。

先生「幸せかどうかは自分で決めると禰豆子(ねずこ/鬼滅のヒロイン)は言っています」、ボク「今を生きるということですね」といった対話が続き、そこから生きることへの希望を見いだす…27の生き方、心得が導き出される。

漫画やアニメから人生を学ぶ!

「ボク」は自分を「落ちこぼれ」と称する。実際に勤めていた出版社から失踪、三度の離婚、多重債務ありと、負のスパイラルに陥ったかのような道を歩んできた。その「ボク」に人生を語りかける老教師が、「教科書」として選んだのが鬼滅なのである。

同作で描かれたセリフは多くのファンの心をとらえてやまない。漫画やアニメから人生を学ぶことは、本誌読者のオヤジ層も経験したことがあるはずだ。『北斗の拳』でラオウが叫んだ「我が人生に一点の悔いなし」は、その代表例といっていい。また、『キャプテン翼』の「ボールは友達」は、日本のみならず世界中のサッカー少年たちを虜にした。

ヒット漫画にある金言、面白いテーマの1冊だ。

(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)