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LiLiCo☆肉食シネマ~『弟は僕のヒーロー』/全国順次公開中

弟は僕のヒーロー
ⒸCOPYRIGHT 2019 PACO CINEMATOGRAFICA S.R.L. NEO ART PRODUCCIONES S.L. 

監督/ステファノ・チパーニ
原作/ジャコモ・マッツァリオール
出演/アレッサンドロ・ガスマン、イザベラ・ラゴネーゼ、ロッシ・デ・パルマ、フランチェスコ・ゲギ、ロレンツォ・シスト、ロベルト・ノッキ、アリアンナ・ベケローニ
配給/ミモザフィルムズ

「ちゃんとお正月気分が抜けるかなぁ〜」と、年明け1週間くらいまで思いましたが、今となればお正月だったことすら覚えてない。皆さんが映画から少しでも元気がもらえるなら、私は良い作品を探します!

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私が紹介する今年1発目の作品は、ジャコモ・マッツァリオールの原作。

もともと彼はイタリアに住む普通の高校生でした。弟とYouTubeを作るまでは…。そこから人生があっという間に変化し、なんと昨年末には来日を果たし、たくさんのインタビューを受け、私も彼と対談させていただきました。27歳になった彼はとっても素敵な男性に成長。ハンサムですし、その話し方はイタリア語は強めな音でありながら、彼が話すとソフトに聞こえます。そんな普通の高校生だったジャコモに何が起こったのか?

物語は、ジャックが5歳のとき、家族みんなが楽しみにしていた弟が生まれました。でも、何か違うと悟った。親から〝特別よ〟と言われた弟のジョーはダウン症。表情は可愛く、才能も豊か。しかし、月日が流れるとともに、ジャックは学校で好きな女性ができてからダウン症の弟を恥ずかしく感じるようになった。弟は亡くなったとか、いろんな嘘をついては逃げていました。

若かりし頃の甘酸っぱい気持ちが蘇る

この作品の原作者であるジャコモと、ダウン症の弟と撮影したYouTubeがバズり、たくさんのメディアで取り上げられました。それが本になり、映画製作へと繋がることになったのです。

皆さんは若かりし頃、両親のことを恥ずかしいと感じたり、ちょっとカッコつけたりした時期はなかったですか? 若いときって、恋をした瞬間から妙に大人っぽい雰囲気を出したくなったり、友達の方を大事にして、家族がちょっとウザくなったりしたこともありましたよね。物語を見ていると、あのときの気持ちが蘇ります。そして、この作品の素晴らしいところは〝お涙頂戴〟ではないんです! ユーモアたっぷりで、イタリアの香りもしっかりと漂ってくる。そして私はジャックの友達が大好き。彼の表情に注目です!

映画の中で、主人公のジャックを演じるのは2002年生まれのフランチェスコ・ゲギ。すでにイタリアでは注目されていて将来有望! そして弟のジョーを演じるのはロレンツォ・シスト。オーディションでこの役をゲット。可愛らしい表情をいっぱい魅せてくれます。若いときの気持ちは不安定。甘酸っぱい記憶を一緒に味わいましょう。

LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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