相撲のぼり (C)週刊実話Web 
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大相撲・初場所開幕“被災地出身”力士ら勝ち星を誓うそれぞれの決意

1月14日から東京・両国国技館で、大相撲初場所が始まった。3場所連続休場からの復活を目指す横綱照ノ富士(32)や綱取りに挑む先場所の覇者、霧島(27)らが出そろい、新春場所らしいにぎやかさだが、いつもと違った面持ちで土俵に上がっている力士たちもいる。


それが能登半島地震で被災した北陸出身力士たちだ。震源地に近い石川県・穴水町出身の西前頭13枚目の遠藤(33)は緊急地震速報が鳴り、テレビで「能登」の文字を目にして、とっさに祖父に電話し「津波が来る。逃げて」と叫んだという。また「頃合いを見て、もう一度電話し『大丈夫だ』と言う祖父の声を聞いてホッとしました。あとで親族から送られてきた写真を見て、実家の近くまで津波が押し寄せていたこと分かりました」と、マスコミの取材にも答えているのだ。


【関連】相撲界が熱視線“新入幕・大の里”辰年の縁起を担いでニューヒーローへの期待大 ほか注目の新入幕力士、西前頭15枚目の大の里(23)は能登半島の付け根近くの石川県・津幡町出身。昨年末に帰郷したばかりで、「ビックリしました。幸い家族は無事だったけど、停電や断水になりました」と話している。

「純粋に勝ちたい」

頸椎を痛めて5場所連続休場中の三段目の炎鵬(29)は被害の少なかった石川県金沢市出身だが、親族が能登町に住んでおり、「ニュースを見てゾッとしましたが、やっと連絡がつき、全員無事だったのでひと安心しました」と胸をなでおろしていた。

埼玉県朝霞市出身だが、被害の大きかった石川県珠洲市に親族がいるという関脇の大栄翔(30)も気をもんだ1人で、「大変な状況だと聞きました。他人事じゃない。元旦からこんな大地震に見舞われるなんて。そういう人たちのためにも、純粋に勝ちたいと思います」としみじみ語った。


西前頭7枚目の朝乃山(29)は石川県のお隣の富山県出身。富山市の実家も揺れたが、能登半島に近い氷見市に住む祖母も大きな被害を被った。


「北陸出身者が頑張れば、勇気と元気を与えられる。自分も2ケタ勝ち星と優勝争いを目指して頑張る」(朝乃山)


さあ、彼らの必死な思いは故郷に届くか。