小池百合子都知事に逆風が吹き荒れそうだ。東京都は2030年までに都内の温室効果ガス50%削減(カーボンハーフ)実現に向け、2025年4月から新築住宅に太陽光パネル設置義務制度を施行する。この条例が能登半島大地震のあおりで、にわかに暗雲が立ち込め始めているのだ。
まずは〝太陽光パネル義務化条例〟に反対してきた某都議が解説する。
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「今回の能登半島を襲った大地震では家屋やインフラに大きな被害が出ており、太陽光パネルへの被害も甚大との報告もある。破損したり、関連施設が壊れたり、屋根から落下したパネルなど、見るも無残だ。こうした情報を基に内閣府や経済産業省が住民や関連企業に向け、注意喚起の緊急メッセージを発信したほどです」
内閣府や経産省で発信されたメッセージを要約すると、太陽光パネルは破損していても日が当たると発電をする可能性があるという。そのため不用意に近づき触ったりすると感電の危険性があるとし、復旧作業にあたる人たちにも同様の警告を発している。
また、こうした警告は行政だけではなく、大手太陽光パネルメーカーのシャープも呼びかけている。
防災メーカー関係者がこう危惧する。
「太陽光パネルはある程度破損しても、発電し続けます。感電だけではありません。場合によっては火災の原因にもつながります。今回、朝市で有名な輪島市で約200軒が延焼する大火災が発生しました。そんな大火災が太陽光パネルによって引き起こされる可能性は否定できません」
火に油を注ぐようなもの…
内閣府などの感電危機緊急メッセージや火災の懸念などが大きくなる中で、不安が高まっているのが冒頭の東京都の太陽光パネル設置義務化条例だ。
「大地震で火災や感電を誘発しかねない太陽光パネルを義務化し、バンバン設置するのは〝火に油を注ぐようなもの〟ですよ」
と指摘するのは野党系都議。
「しかも、世界一の太陽光パネル製造国は中国です。米国の報告では、中国・新彊ウイグル自治区で過酷な労働条件下、製造されている疑いが強い。大地震や人権問題を踏まえると、太陽光パネル設置義務化条例への不安はさらに高まる。太陽光パネルの設置施行は2025年4月からなので、まだ時間はあります。能登半島地震の被害状況を調査した上で、結果によっては太陽光パネル設置義務化を白紙に戻したほうがいいのではないか」(同)
関東大震災(1923年)から100年。大地震はいつ起きてもおかしくない。小池都知事はカーボンハーフ実現よりも、〝都民の安全ファースト〟に立ち戻るべきではないか。
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