(画像)wakamatsu.h/Shutterstock
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球界騒然!楽天“球団売却”の噂が急浮上!? 過去最高の300億円か…

楽天グループが楽天球団の売却方針を固め、三木谷浩史オーナーがトップセールスを展開しているという。売却価格は過去最高の300億円とウワサされるが、13年ぶりの〝出物〟に球界は色めき立っている!


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「この前、経営者の会みたいのに行ったら、楽天球団がやっぱり売りに出てるっぽくて。複数の関係者が〝楽天球団が売りに来た〟。そんなウワサが出回っている。300億円くらいなら売れるんじゃ…元はとれる、金が用意できたら僕だって買いたい」


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新年早々に、東北楽天ゴールデンイーグルスの身売りをすっぱ抜いたのは実業家の堀江貴文氏(51)だ。ウェブマガジン『政経電論』(佐藤尊徳編集長)公認YouTubeチャンネルに井川意高氏(大王製紙元会長)と共に出演し、こう話した。


楽天球団売却の情報は、本誌もすでに入手している。背景にあるのが携帯電話事業「楽天モバイル」の苦戦。「楽天市場」の電子商取引(EC)事業と「楽天カード」「楽天銀行」などの金融事業は好調だが、モバイル事業がこれらの利益を吹き飛ばしている。


昨秋来の楽天グループの金策は慌ただしい。11月に傘下の楽天証券株の一部を、みずほフィナンシャルグループに約870億円で売却。12月には、春に上場した子会社・楽天銀行の総保有株式の約4分の1を606億円で売却し、保有比率が63%から49%に下がった。


「いよいよもって深刻な状況です。今年から社債償還が始まり、24年が約3200億円、25年は約4700億円。基軸の楽天カードを切り売りすれば、本丸を失う。そこで球団売却なのでしょう。元々、0円で手に入れた代物。痛手はない」(経営アナリスト)


ソフトバンクの孫正義オーナーは05年、ダイエーホークスの株式とスポーツ施設の営業権を200億円で買い取り、12年に福岡ドームを870億円で取得した。DeNAの南場智子オーナーは11年にTBSからベイスターズの株式を65億円で譲り受け、その後、横浜スタジアムの運営権を74億円で買い取った。


一方、楽天は近鉄のプロ野球撤退(04年)に伴う、穴埋め的な新規参入だったため、買収費は0円。球場も宮城県営を活用し、年間使用料も破格の5000万円。


「ただ同然で入手した球団が300億円で売れれば、ボロ儲け。三木谷氏は球団身売りではなく、ビジネスライクな売却だと。だから臆面もなく、トップセールスができる」(同)

ジャパンマネーの逆輸入!?

過去の球団売買では、メインバンクが仲介するケースが多い。楽天グループの場合は、みずほ銀行(旧日本興業銀行)、三木谷氏の出身銀行でもある。

同バンクの主要取引先にはトヨタ、ANA、イオン、JFE、キヤノン、ソニー、キリン、NTTドコモ、パナソニック、伊藤忠商事、サイバーエージェントなどがあり、300億円程度のM&Aは容易にできる。


楽天が球界参入した当時、巨人、阪神以外は毎年20億円程度の赤字。球団買収は自社の売名が主目的だった。しかし、インターネットで入場券が買える時代になり、ネット誘客に力を入れるDeNAは年間100億円の黒字に。阪神の400億円超は例外だが、他もほとんどの球団が黒字化している。


その上、大谷翔平の〝10年総額1015億円ドジャース移籍〟で、野球をオジさんのスポーツと敬遠していた若い女性がプロ野球に興味を持ち始めた。


「滅多に〝市場〟に出ない物件。複数の企業が、楽天球団の引き受けを前向きに検討している」(スポーツ紙デスク)


かねてより、球界進出がウワサされたイオンやパナソニックも候補だが、最右翼は三木谷氏と縁が深い藤田晋氏(50)が社長を務めるサイバーエージェントだ。藤田氏は同社の株式上場直後に村上(世彰)ファンドに株を買い占められ、その窮地を救ったのが三木谷氏。その恩義もあり、昨年5月に楽天グループが増資などで3300億円を調達した際には、100億円の出資を引き受けている。


『ウマ娘』のゲーム事業やカタールW杯を中継した『AMEMA』のメディア事業で知られるサイバー社だが、本業は広告代理店(電通、博報堂DYに次ぐ国内3位)。サイバー社が狙うのが、エンゼルス大谷のドジャース移籍で行き場を失った日本企業広告の収拾。ジャパンマネーの逆輸入だ。


エンゼル・スタジアムのバックネット裏には、CGを合成してイニングの攻守ごとに変わる広告(米国内は別の表示)があった。広告料は1イニングで1000万〜3000万円。それが年間に81試合。


トヨタ、Bandai Namco、興和、西川産業、船井電機、ヤマダデンキ、東宝、日本電子工業など10数社の日本企業が出稿していた。


大谷の移籍で、ドジャー・スタジアムにスイッチしたいところだが、エンゼル・スタジアムと違って高額なのがネック。既存契約社との調整もあり、撤収を余儀なくされている。


「そのジャパンマネーをプロ野球に逆輸入し、自社のバーチャル技術を使って各球団にも回そうと。楽天モバイルパーク宮城は、そのモデルスタジアム。広告収入だけで自球団の選手総年俸(約37億円)は稼げる。球団所有のメリットは十分にある」(同)


藤田氏がオーナーを務めるサッカーの『町田ゼルビア』は、今季からJ1に昇格。馬主としても所有馬の〝5億円ホース〟のドーブネ(牡5)が現在活躍中。20年の凱旋賞馬ソットサスの全弟シンエンペラー(牡3)には、「今年のクラシックで3冠を獲るのでは」との声もある。三木谷・楽天とともに目が離せない。