(画像)Evan El-Amin/Shutterstock
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大谷翔平のおかげで前進「日米ワールドシリーズ」11月に開催!? トランプ前大統領の動向に注目

NPBとMLBの優勝チームの直接対決「日米ワールドシリーズ」が、大谷翔平のドジャースとの1000億円契約で大きく前進した。バックアップするのが、ドナルド・トランプ前大統領。新年早々ビッグニュースが飛び込んできた。


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2024年11月の米大統領選の野党・共和党候補を決める予備選が、1月15日の中西部アイオワ州を皮切りに各州・地域で始まる。米国民と共に、ドナルド・トランプ氏(77)の動向に注目するのが日本球界だ。


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共和党の大統領は歴代、野球ファンが多い。ロナルド・レーガン氏は俳優出身だが、シカゴ・カブスで実況アナウンサーも務めた。ジョージ・W・ブッシュ氏は、テキサス・レンジャーズの共同オーナー。「ニューヨーク出身のトランプ氏はヤンキースファンだが、日本のソフトバンクは特別な存在です。大谷翔平(29)のメガ契約で米国中が沸いており、大統領に返り咲けば孫正義氏(66)との約束である『日米リアルワールドシリーズ』を速攻で成就させる」(大手広告代理店)


孫氏とトランプ氏の親密な関係は、つとに知られる。16年大統領選当選の直後には、ニューヨークのトランプ・タワーに赴き、ソフトバンクグループのファンドが米国企業に総額500億ドル(当時、約5兆7000億円)を投資すると約束。「マサ、大歓迎だ」と、トランプ氏が応じ、日米で大きく報じられた。


そのトランプ氏は、20年の大統領選の結果を覆そうとした事件、支持者の連邦議会襲撃など多くの裁判を抱え、予断を許さないが、国民の人気は抜けて高い。各メディアの世論調査でも優勢が伝えられている。


真の世界一を決める「リアルワールドシリーズ」を最初に提唱したのは孫氏だ。04年にダイエーから球団を買収した際にアドバルーンをぶち揚げ、10年に当時の加藤良三コミッショナーが渡米。バド・セリグMLBコミッショナーと会談し、日本シリーズとワールドシリーズ覇者の対戦が協議された。


13年には「対戦を目指す」とのMLB側の意向が、NPBと王貞治ソフトバンク球団会長に伝えられ、早期実施の機運が高まった。


「それでも実現に至ってないのは、トランプ氏が20年の大統領選でジョー・バイデン氏(民主党)に敗れたこと。さらに、開催時期がMLB側と折り合わなかったから」(NPB担当記者)

トランプ氏の剛腕発揮か

ベストはワールドシリーズ、日本シリーズ直後の11月の開催。しかし、この時期は米プロフットボール(NFL)と米プロバスケット協会(NBA)のベストシーズン。米テレビ局の反発で放映料&放送枠も見込めず、とん挫した。

侍ジャパンが優勝した23年「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)のように3月開催もあるが、そうなると出場チームのキャンプ調整に支障をきたし、不利益が生じる。FA選手などの出入りもあり、真の世界一決定戦とかけ離れてしまう。


とはいえ、トランプ氏もMLB各球団が潤えばいいという営利主義。プロスポーツ界史上最高、10年総額1015億円でドジャースと契約した二刀流・大谷の宣伝効果は計り知れない。山本由伸も投手オンリーでは歴代最高の12年総額463億円でドジャース入り。全米の津々浦々で日本野球のポテンシャルの高さが話題となり、トランプ氏が剛腕を発揮できる環境が整った。


「そこで浮上したのが、日本のクライマックスシリーズを取りやめ、11月に米国で開催する案」と担当記者。「セパの王者も含め、日米の4チームまたは8チームで対抗戦で実施する形式」という。


実は、この案は23年1月の監督会議で日本ハム・新庄剛志監督が提案したものだ。日米ともリーグ優勝があり、そこを国内最高峰に位置付ける。ワールドシリーズは世界一決定戦、NPBが加わってもおかしくはないし、将来的には韓国、中国などに門戸を…。〝ショーヘイ大旋風〟に乗じて、野球人気をワールドワイド化する狙いがある。


アメリカには絶大な人気を誇る4大プロスポーツ、アメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーがあり、人気はアメフトが圧倒的でバスケが続く。野球は、やっとこさの3位だが、ここにきて難敵が現れた。


「新興のメジャーリーグサッカー(MLS)です。25年には世界一のチームを決めるクラブW杯が米国で開催され、26年にはカナダ、メキシコと3カ国でワールドカップを共催する。こちらは国対抗。2方面で危機を迎え、MLBが日米決戦にシフトを移すのは必然」(前出・広告代理店)


どのみち大谷や山本、ダルビッシュ有、吉田正尚らが出場しても、いずれもMLBチームでの参戦。米側に「侍ジャパン(日本代表チーム)じゃなく、NPB単独チームで大丈夫?」と気遣う余裕が。ワンサイドゲームとなれば、1年ポッキリの開催になりかねない。


そこでソフトバンクは、なりふり構わぬ補強を敢行。22年オフに日本ハムから近藤健介、DeNAから嶺井博希、メジャー帰りの有原航平、ロッテからロベルト・オスナを獲得。今オフも反発が強い中、強制性交等の疑いで書類送検された(その後不起訴処分)山川穂高を西武からゲット。同様のトラブルがあったサイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアー(前DeNA)も狙っている。


それもこれも、日米ワールドシリーズを見据えた戦力増強だ。「日米頂上決戦」提唱から20年、孫氏は今大統領選を実現のラストチャンスと捉えており、王貞治氏が元気なうちに実現させるという。


新年を迎えても、日本は自民党派閥の政治資金をめぐる裏金疑惑ですったもんだするが、球界の興味は米国政治。「型破り」のトランプ氏から目が離せない。