国民の義務である確定申告の時期がやってきた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で、申告・納付期限が4月15日まで延長されたが、「まさか国から支給された給付金や協力金に、税金がかかるとは思わなかった。もう使ってしまって払うお金はない」と、途方に暮れる個人事業主が続出している。
国民に一律で支給された10万円の「特別定額給付金」については非課税だが、企業や個人事業主の持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金、休業協力金(東京都など各自治体)は課税対象になる。
「コロナ蔓延防止のために休業を余儀なくされた、中小企業で働く人向けの『新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金』は非課税ですが、緊急事態宣言の再発令で営業時短要請に応じた1日6万円の協力金は、店を閉めていたとしても課税対象になります」(東京・千代田区内の公認会計士)
給付金には最初から税収アップが見込まれていた…
全国で持続化給付金を装った詐欺が発生し、社会問題にまで発展したが、この給付金で急場をしのいで助かった個人事業主は数知れない。一時は給付金の対象外として差別されたクラブホステスやキャバクラ嬢も、確定申告していれば対象となった。
「持続化給付金のほか、私は家賃支援給付金の6カ月分の3分の2を支給されましたが、今年に入ってからは時短要請でほとんど出勤していません。1月から無収入状態なので、確定申告で税金がかかることが分かって不安です」(銀座のクラブホステス)
持続化給付金や家賃支援給付金は、もともと課税対象である。協力金は時短要請で売上が減少したことに対する給付なので、当然、売り上げに計上される。
「今年の分は来年の申告ですが、昨年の給付金に対する税金は今年に申告してもらうことになります」(前出・公認会計士)
給付金には最初から、国や自治体の税収アップが見込まれていた。コロナ禍の臨時収入と勘違いして浮かれていた個人事業主は、狐につままれたような気分かもしれない。
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