2023年を代表するドラマといえば、日曜劇場『VIVANT』(TBS系)を挙げる人が多いだろう。流行語大賞に「別班」「VIVANT」がノミネートされるほど話題を呼んだが、なぜここまで特別な作品になったのだろうか。
ドラマは、TBS系の『半沢直樹』や『下町ロケット』シリーズなど、大ヒットドラマを世に送り出してきた福澤克雄氏が原作・演出・監督を手掛けた完全オリジナルのアドベンチャー作品。堺雅人や阿部寛、二階堂ふみといった主要キャストや、放送前にストーリーを明かさない〝逆宣伝〟が注目を集めた。
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「1話1億円といわれる豪勢なストーリーと、視聴者を飽きさせない考察要素が散りばめられており、7月期ドラマの話題を独占しました。見逃し動画プラットホームや『TVer』の数字を合わせた『2023年7月期見逃し配信再生回数ランキング』(ビデオリサーチ調べ)では、1~8位までを『VIVANT』が独占しています」(ドラマライター)
これほどまで『VIVANT』がヒットしたのは、日曜劇場が持っている〝枠〟の視聴率の良さが要因のひとつだろう。
『VIVANT』はTBS日曜劇場の集大成?
「ドラマのTBSと呼ばれるほど、同局はこれまでに良質の作品を生み出してきた。特に日曜劇場は1956年に最古のドラマ枠として生まれた、TBSドラマの屋台骨。脚本家やキャストも有名どころが押さえやすく、高視聴率も狙えるので、優良スポンサーがつく好循環が生まれています」(同・ライター)
ここ最近も日曜劇場は『天国と地獄~サイコな2人~』『ドラゴン桜』を放送して、高視聴率を獲得した。
「ヒット作を連発しているおかげで、制作費をかけやすい。通常の1時間ドラマなら製作費はおよそ4000万円のところ、日曜劇場は1.5~2倍の予算が出る場合もある。『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は劇場版が興行収入45億円、観客動員340万人を突破するほどヒット。日曜劇場は動画ストリーミングにも力を入れており、『VIVANT』はNetflixで190以上の国と地域に配信されました」(同)
『VIVANT』には莫大な制作費が注ぎ込まれ、大掛かりな作品となったのは、福澤監督の〝定年〟も関係しているかもしれない。
「TBS所属の福澤監督は2024年に定年を迎える。本人はまだまだ続けるつもりのようですが、TBS社員としてはおそらく『VIVANT』が最後の作品ということもあり、局が定年に花を添える形で、大規模な制作に取りかかったとも言われています」(同)
さらに、ブームに拍車をかけたのは、考察や推察を前提とした視聴者を飽きさせない脚本作りだろう。1話を見逃すとついていけなくなるほど濃密に練られたストーリーは、視聴者の考察欲を刺激。加えて『嵐』二宮和也のサプライズ出演や、松坂桃李の出演を引っ張るなど、緩急つけた脚本が視聴者の心を掴んだ。
「福田監督自ら続編の構想があると明かしています。しかし現在、計画は白紙状態なのだとか。問題はやはり、予算面でしょうね。続編があるとしたら、日曜劇場が60周年を迎える2026年が有力かもしれません」(同)
続編では堺と菅野美穂の夫婦共演もあるとウワサされているが、果たして…。
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