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『ヒヨシの超実況 これが麻雀実況者の生きる道』著者:日吉辰哉~話題の1冊☆著者インタビュー

『ヒヨシの超実況これが麻雀実況者の生きる道』KADOKAWA
『ヒヨシの超実況これが麻雀実況者の生きる道』KADOKAWA 

『ヒヨシの超実況これが麻雀実況者の生きる道』KADOKAWA/1870円

日吉辰哉(ひよし・たつや)
1976年、静岡県生まれ。AB型。おひつじ座。浜松大学経営情報学部卒。プロ雀士(日本プロ麻雀連盟18期)。2019―20シーズンよりMリーグ公式実況となり、情熱的な語り口や、解説者との軽妙な掛け合いで瞬く間に人気となった。自身もプロ雀士として公式戦への出場も続けるほか、麻雀教室の講師として麻雀の普及にも努める。

――日吉さんが実況を始めたきっかけは何だったのですか?

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日吉 2013年に所属団体の日本プロ麻雀連盟が麻雀対局を配信する専門スタジオを設立し、その際、カメラマンやスイッチャーそして実況者、解説者も自団体の麻雀プロが担当することになりました。そこで実況を依頼されたのが始まりです。

――これまでの常識を覆す「絶叫実況」が話題になっています。

日吉 Mリーグ設立初年度の2018年には小林未沙さんと松嶋桃さんが実況を担当しておりました。2019年から3人目の実況者として私が加わったのですが、2人の実況スタイルとは大きく異なるため、Mリーグの視聴者は私の実況を楽しむよりも前に「うるさい! 噛みすぎ」と戸惑った方が多かったようです。私としてはMリーグの世界観を壊したいなんて気持ちは微塵もなく、小林さんと松嶋さんが作り上げたMリーグの世界観にしっかり合わせなくてはならないと考えていました。しかし、私も実況者ではありますが麻雀プロの端くれ。麻雀という最高にドラマチックな競技を目の前にし、さらには選手の気持ちもオーバーラップしてくると、興奮とともに自然と声が大きくなり、このような実況になっていました(笑)。今では「麻雀はあまり詳しくないですけど、スポーツ実況のようですごく楽しいです!」こんな風に言っていただけることもあり、わずかながらではありますが、業界に貢献できているかと思うと非常に嬉しく思います。

麻雀の普及に全力を注ぐ

――Mリーグの実況で心がけていることはありますか?

日吉 視聴者の皆さまに楽しんでもらいたいですね。特に麻雀初心者を中心に、より多くの方に楽しんでもらいたい。とにかくこの一点だけです。

――Mリーグをきっかけに麻雀ブームが過熱しています。今後どのような活動をしていきたいですか?

日吉 私が生きている間にこれ以上の麻雀ブームは来ないかもしれません。今こそ麻雀プロとして、麻雀の普及に全力を注ぐべきだという強い気持ちがあります。Mリーグの設立により「観る麻雀」から始まった麻雀初心者の方が、アプリなどで手軽に麻雀をプレイするケースが増えています。今後はそんな皆さまに実際に麻雀牌を使い、対人で麻雀を楽しんでもらいたい。麻雀牌の重みや厚さ、感触や音色、そして人間関係の広がり。最高の競技を1人でも多くの方に知っていただき、そして実際にプレイしてもらうこと。それが今後の目標です。
(聞き手/程原ケン)

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