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JRA重賞『有馬記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web

先々週の阪神JFは、見事な縦目だった。そして、先週の朝日杯FSは見事なヒモ抜け、ときたもんだ。もう笑うしかない。確かに、軸の1頭たる川田ジャンダルマンタルは、直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切り2着に1馬身4分の1の完勝で文句ナシ。

でも…2着が、先週の文中で「武豊エコロヴァルツ、横山武セットアップの北海道組は、ステップに難アリで無視する」と記したら、その武豊の馬が大外から追い込んで来たのだから諦めるしかない。3着も完全無視した団野タガノエルビータでは、よけいギブアップ。2歳GⅠは難しい。まあ、競馬全体が難しいんだけどさ、と弱気の虫が這い出して来そうなので、この辺で先週の総括は終わり。

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だって、今週は1年の総決算・有馬記念だもの。幸い先週、「今週は投資額を控え目にしたい。大勝負は来週の有馬記念だからだ」と書き、傷は浅いので、まだまだ闘争心はある。実は、本棚の某書の間に、この日のために、と〝裏金〟ならぬ〝隠し金〟を数カ月間貯め込んでいたのだ。〝裏金〟は、やましい金だが、個人のタンス貯金(ブック貯金か)なら清廉潔白でしょ。それにしても、自民党の〝裏金事件〟は底なし。これも〝安倍一強政治〟の弊害かね、という怒りをいったん鎮めて、有馬記念の予想と参ろう。

ファン投票1、2位の馬が、そろって不出走は有馬史上初だとか。そんなイクイノックスもリバティアイランドも出走せぬ有馬記念なんて“有馬特別”じゃん、と悪態をついたが、よく見たら21~23年のダービー馬が勢ぞろい、皐月賞馬、天皇賞馬などGⅠ馬が多数出走する豪華メンバーではあるので〝有馬特別〟という揶揄は撤回(冷や汗)。

さて、有馬記念は〝自分が好きな馬を買うレース〟であるとともに〝今年を象徴する事象が反映するレース〟とも言われてきた。野球、戦争、コロナ明け、裏金…今年のテーマは尽きないが、競馬ファンとしては、イクイノックス、リバティアイランドの強さを思い知った年ではないのか。よって、わが有馬予想もそれぞれの鞍上のルメール大将、川田の騎乗馬スターズオンアース、ソールオリエンスを優先したい。もしイクイノックス、リバティアイランドの2頭が有馬出走だったら、当然彼らが乗っていただろうに。

“映画連想馬券”の本命はソールオリエンス

スターズオンアース、ソールオリエンスとも、すべて馬券圏内の堅実無比だし、どちらを本命かで迷ったが、イクイと同じキタサンブラック産駒だし、ヤネも川田だし、で後者を。対抗に当然、前者を。ただし、両馬とも最内枠、大外枠と極端な馬番なのがどう作用するのか? 悩ましい。3番手には中山で7回走って、すべて馬券圏内の〝中山巧者〟池添スルーセブンシーズ。あとは〝中山不得手〟でも横山武ジャスティンパレス。一頓挫あって今年は買いにくいムーアが乗る今年のダービー馬タスティエーラ。大穴なら1昨年2着で馬券的においしかった〝恩ある〟ディープボンド。主戦の和田竜からマーカンドに乗り替わるが、買おう。人馬とも復活人気のドウデュース、有馬実績ナシでもラストラン人気のタイトルホルダー、短期免許外国人騎手の中で〝穴人気〟のムルザバエフが乗るプラダリアも敢えて切った。

さて〝映画連想馬券〟。ソールオリエンスは朝日という意味で、往年の名曲『朝日のあたる家』が劇中に効果的に使われるのが、奇しくもこの有馬ウィークに公開された『PERFECT DAYS』。世界的名匠ヴィム・ヴェンダース監督が、日本が誇る名優・役所広司を起用し、渋谷のトイレ清掃員の日常を丹念に描いた逸品だ。些細な〝非日常〟が訪れても、彼の静かで断固たる日常は揺るがない…という哲学にも似た主題が胸を打つ。私も、毎週競馬を買うという日常を半世紀も続けているしなあ、と妙なところで腑に落ちた。『朝日のあたる家』は主人公の愛聴曲で、出勤の車の中でいつも聴いている、という設定。それもカセットテープで! というあたりが昭和世代を微笑ませる。私も、このところの愛聴曲はコレ。ちゃんとカセットテープで聴いているのだ。偉いでしょ。

買い目は①から⑥⑩⑬⑮⑯へ馬連&3連複、⑯から馬連&3連複⑥⑩⑬⑮へ。特に①⑯、①⑮、〝レズ馬券〟の⑮⑯、および3連複の①⑯縛りは厚目に。3年連続で馬連&3連複的中させているだけにここもズバリ的中し、4連勝で自称〝有馬男〟の面目を保ちたい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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