昨年11月、お笑いコンビ『ハライチ』岩井勇気が、18歳年下のタレント・奥森皐月との結婚を発表し、話題を呼んだ。お相手が10代ということから、賛否両論ある一方、テレビ業界では女性が年上の〝年の差恋愛ドラマ〟が流行している。
23年に放送された主な年の差恋愛ドラマは『18/40~ふたりなら夢も恋も~』、『マイ・セカンド・アオハル』(ともにTBS系)、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)。いずれも年上女性と年下男性との恋愛要素が描かれた。
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ここ最近では、2019年『初めて恋をした日に読む話』や、22年の『君の花になる』(ともにTBS系)も年上女性の恋愛ドラマだった。
「これらのドラマは、女性が10歳上という設定も多い。2018年放送の『中学聖日記』(TBS系)は、有村架純が演じる教師と10歳年下の中学生との恋愛を描き、話題になった一方で物議も醸しました。ちなみに女性年上恋愛ドラマの脚本は、ほぼすべて女性脚本家が担当しています」(芸能ライター)
おじキュンはフィクションだけの世界である
一方で、年上男性と年下女性の恋愛ドラマは、避けられている。2022年放送のドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)は、妻を亡くした夫が、小学生に生まれ変わった妻と出会うという作品。内容は心温まるようなホームドラマだったが、タイトルが批判され、視聴を避ける人も多かった。
2020年放送の『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)は、28歳のキャリアウーマンが、50歳の家政夫と恋に落ちるというラブコメディー。〝おじキュン〟という言葉も一時流行したが、作中は女性の視点で描かれた。
だが〝おじキュン〟はドラマ内だけのフィクションである。岩井の18歳差婚をはじめ、高橋ジョージは24歳年下の当時16歳だった三船美佳と結婚し、物議を醸した。
遡れば、年上女性と年下男性の恋愛ドラマは、木村拓哉と山口智子の『ロングバケーション』(フジテレビ系)が大ヒットし、一般化したのかもしれない。なぜこのようなドラマが増えているのだろうか。
「女性の社会進出に伴う時代の変化が大きいでしょう。年上女性恋愛ドラマの主役は、働いている女性が多い。さらに、その設定は、就職に苦労したorバリキャリの2択であることが圧倒的。女性脚本家たちが女性視聴者の共感力を呼ぶ作風に仕上げているのでしょう」(同・ライター)
プライム帯ドラマは、女性視聴者の獲得がテレビ局へ求められているようだ。
「昨今のテレビ業界は、世帯視聴率よりもコア視聴率(13歳~49歳の個人視聴率)を重視している。総務省が発表した『令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』では、平日リアルタイムでテレビを視聴している人は、男性よりも女性の方が多いとされている。女性視聴者に向けた作品が増えているのは当然の流れです」(同)
24年1月クールの火曜ドラマ『Eye Love You』(TBS系)でも役者の実年齢と関係なく、年下男性がヒロインのお相手役。女性年上の年の差恋愛ドラマは、産業の要請によって量産されているのかもしれない。
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