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日本全国☆釣り行脚~『ハゼクチ』~熊本県熊本市/坪井川河口産

ハゼクチ釣り
ハゼクチ釣り (C)週刊実話Web

今冬の夜ハゼ釣りは、北海道函館で見事にフラれ、前回、東京都の豊海で一応リベンジを果たした格好となりました。まぁ、豊海にはカレイ狙いで出かけたのですが…。

ただ、東京湾で釣れた個体は、北海道や東北地方で釣れるそれに比べて型は小さめ。どこか野性味に欠けていて、なんとも不完全燃焼なのです。

アタシ、もっと大きいのが欲しいの♡ もうこうなったら、アレを狙うしかないわね。カリが大きくて、馬並みなぶっといアレを。

ちなみに「ハゼ」という名前は〝おはせ〟が由来とされています。漢字で書くと男茎。つまり、ポコ○ンがその由来なのでありんす。

というわけで、野性味溢れるぶっといハゼを求めて熊本県を流れる坪井川河口にやってきました。坪井川が注ぐ有明海は、お隣の八代海と並んで「ハゼクチ」というハゼの仲間が生息する貴重な場所なのです。

このハゼクチ、見た目はマハゼにソックリながら、大きいものでは40センチを超え、時には50センチにまで成長します。ハゼの仲間としては日本最大級であり、超ド級と言えるでしょう。

さて、釣行当日は深夜0時頃に満潮を迎える潮回り。それを見越して、20時すぎに現地に到着しました。

というのも、この有明海は最大で潮位が6メートルも変わる、日本で最も干満差が大きい海域なのであります。ですから、干潮前後に行ってしまうと一面の干潟となり、「水がな~い」となりますし、河口などで潮が動いている時間帯は流れがキツくて、「釣りにならな~い」なんてコトにもなりかねません。そのため、満潮を迎えて潮流が緩んだ頃合いが、釣りやすさと釣果の期待度で最良のタイミングなんですな。

エロ動画鑑賞で時合待ち

護岸から水面をのぞくと潮位はまだ低いうえに、潮の流れも速くて釣りにくそうです。まあ、いずれいいあんばいになるでしょうと、とりあえず3本の竿に仕掛けを結び、エサを付けて投入。来たるべき時合に備えてアタリを待ちます。

準備万端でアタリを待つ
準備万端でアタリを待つ (C)週刊実話Web

投入した仕掛けはすぐに流され、竿先も流れを受けてグングンと動きっぱなしで安定しません。時折、エサ点検のために仕掛けを巻き上げますが、エサが取られる様子はまったくありません。

長く釣りをしていると〝場の雰囲気の変化〟といいますか、「なんか釣れそうになったな」という気配を感じ取れるようになるものです。こんなときは焦っても仕方ありませんから、エロ動画でも見て時間を潰すのがイチバン。いわゆる時合待ちというヤツです。

画面で身悶えるオネイサン方に静かな興奮を覚えていると、次第に潮位が上がってきて流れが緩み始めました。水面を見やると何やら釣れそうな気配が漂い始めてきています。点検で上げたエサも取られるようになり、「そろそろか?」と思っていたところ、1本の竿に「ククンッ!」とアタリが出ました。ひと呼吸置いてから竿を煽るとビミョーな重みで、掛かっていたのは25センチほどのハゼクチ。マハゼであれば良型といえますが、当種としてはまだ小型です。

25cmと小型のハゼクチが
25cmと小型のハゼクチが (C)週刊実話Web

頬肉と卵が特筆でクセになりそう!

エサを付け替え「デカイの掛からんかい!」と投げ入れ直してアタリを待つことしばし。ほどなく隣の竿が「クンクンッ!」と二度お辞儀をしました。竿を手にすると「グンッ! グンッ!」と明らかな手応えに良型を確信。そのまま巻き寄せた仕掛けに掛かっていたのは、46センチの良型本命! もうこんな大きいのは初めてっ! 壊れちゃうくらいの納得サイズです。

大量に釣れました!
大量に釣れました! (C)週刊実話Web

その後も納得サイズを1尾追釣し、持ち帰ったハゼクチは最大魚を煮付けに、残りは天ぷらにして晩酌の肴にします。

煮付けはやや旨味が薄いものの淡白で上品。大きな頭は可食部も多く、特に食感のよい頬肉は美味です。そして、特筆すべきは卵の煮付け。歯に付くような独特の食感と、魚卵らしい風味が非常に濃く感じられて何かクセになりそう…。

煮付けと天ぷらにして晩酌
煮付けと天ぷらにして晩酌 (C)週刊実話Web

天ぷらは小さい方は骨が当たらず、それなりに楽しめたのですが、大きい方は骨が当たり肉質も何か水っぽい…。やはり大型は煮付けが無難なのかもしれません。球磨焼酎を煽りつつ〝ぶっといの〟の手応えを思い出し、壊れちゃうくらいの興奮を胸に床についたのでありました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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