(画像)David Lee/Shutterstock
(画像)David Lee/Shutterstock

ローズ氏が『火の玉サラマンダーズ』新監督就任で憶測広がる“次期DeNA監督”への布石

2年後のファームリーグ参戦を目指す『火の玉サラマンダーズ』(熊本・九州アジアリーグ)の新監督に横浜ベイスターズ(当時)で活躍したロバート・ローズ氏(56)が就任し、「次期DeNA監督の布石では」の臆測が広がっている。


就任3年目の今季を3位で終えた三浦大輔監督だが、来季はBクラス転落が必至だ。10勝を挙げた元サイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーが契約満了で自由契約、両リーグトップの174奪三振の今永昇太(30)は、ポスティングシステムでMLBへ。左右のエースを失いDeNAは抜本的な戦略転換を図っている。


【関連】横浜DeNAが原辰徳氏を獲得へ!? 初V目指し古田敦也氏と画策… ほか

「神輿は軽くてパーがいい、ということでしょう」と皮肉混じりに話すのは、ベイスターズOB。


自民党幹事長時代の小沢一郎氏が、党内の小派閥の領袖だった海部俊樹氏を首相に担ぎ上げたときの言葉の引用だが、言い得て妙。DeNAとなって一度もない優勝を達成するには、ITを駆使した本社の作戦立案が手っ取り早く、軽い神輿(監督)ほど機能する。


期待するローズ氏はMLBのエンゼルスを経て93年〜00年に横浜ベイスターズで活躍。マシンガン打線の中心として98年の日本一に貢献。引退後は米国に戻り、マイナーリーグでコーチを務めたが、監督経験はない。本社首脳は、その軽量感に着目したのだ。

監督としてのノウハウは十分

DeNAは旧来の采配を排除しAIと統計学を使った戦術への転換を図っている。大物コーチの石井琢朗、鈴木尚典両氏をヒラに降格し、裏方(データ収集・分析担当)の靍岡賢二郎氏をチームナンバー2のチーフコーチに抜擢したことが、すべてを物語る。

監督に求めるのは、本社主導でゲームアナリストが弾き出した作戦を忠実に実行する指揮。コーチは選手に与えられたミッションを成功させる技術補助。その実証実験の場が熊本だ。メジャー流の情報戦のノウハウも支援している。


静岡(ハヤテ223)と新潟(オイシックス)が選出された来季からのファームリーグ参加応募は、資金的な理由で断念したが、その問題はクリアできた。熊本県は台湾の最先端半導体メーカー「台湾積体電路製造(TSMC)の育成事業を展開するなど、当地との関係を深めている。


熊本は独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップで2連覇中の最強チーム。15番目のNPB参加の条件は整った。