(画像)xalien/Shutterstock
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日本維新の会が強気の姿勢!? 公明党が「大阪・関西万博」の建設費問題で窮地か

公明党が日本維新の会の看板政策である『大阪・関西万博』(2025年4月13日開幕)の建設費増をめぐり、追及の姿勢を強めている。


国会では公明党の伊佐進一衆院議員(大阪6区)が11月21日の衆院予算委員会で、建設費膨張のシンボルとも言える1周2キロの環状リング(約350億円)をヤリ玉に挙げ「計画がずさん」と批判した。また、同党の山口那津男代表は11月28日の記者会見で「負担は国民に回る。説明努力が必要」とクギを刺した。


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公明党の大阪・関西万博予算批判を某国会議員ベテラン秘書が解説する。


「大阪・関西万博の予算は当初の約1250億円から約2倍の2350億円に増えている。加えて、日本館などが別枠で国費で840億円もかかる。野党は『青天井だ』と追及しているが、与党である公明党の批判には別の思惑がある。維新躍進の原動力となっている大阪・関西万博を叩き、次期衆院選の関西小選挙区で選挙戦を有利に進めたい腹の内が透けて見えます」


次期衆院選では公明党の現職がいる大阪3区、5区、6区、16区、兵庫2区、8区の6小選挙区に維新は候補者擁立を決めている。


「維新は『大阪都構想』実現に向けた協力と引き換えに、公明党が衆院議席を持つ大阪、兵庫の選挙区で候補者擁立を見送ってきた経緯があります。しかし、今年の統一地方選で維新が大阪府議会と大阪市議会で過半数を得た。維新は公明党に配慮するのをやめ、自前の候補者を擁立し数を増やす強気路線に転換したのです」(同)

池田大作名誉会長の弔い合戦

これに危機感を抱いたのが公明党だ。何しろ先に挙げた小選挙区は同党にとって「常勝関西」「金城湯池」といわれ、負けることが許されない選挙区だからだ。

「11月15日に公明党の支持母体である創価学会・池田大作名誉会長が亡くなった。大阪は1956年の参院選で池田氏が陣頭指揮を執り、初めて選挙区議席を獲得した〝公明党発祥の地〟です。池田氏が亡くなり集票力が落ちるのではという見方もあるが、むしろ逆でしょう。公明党や創価学会からすれば〝池田先生の弔い合戦〟として燃えています」(元公明党関係者)


大阪・関西万博の建設費増で維新の勢いにも陰りが出てきた。


「10月の奈良県橿原市長選、11月京都府八幡市長選と、維新共同代表の吉村洋文大阪府知事が応援に入ったにもかかわらず支援する候補者が負けている。やはり、根底には万博問題があるとささやかれている。だから公明党はこの弱点を攻め、全面対決の姿勢を崩さないのです」(同)


池田氏の弔い合戦には、「常勝関西」神話の〝維新〟もかかっている。