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オリックス・山本由伸をメジャー大絶賛!? 全米で成功が約束された魔球とは…

Dean Hammel
(画像)Dean Hammel/Shutterstock

「獲得した球団は、向こう10年間エースに困らない」

米メディアのジ・アスレチックが、オリックス・山本由伸(25)の交渉がスタートしたことを告げ、同時にそんな称賛の寸評も加えていた。

「山本とメジャーリーグ各球団との交渉は、来年1月4日まで(現地時間)。ヤンキース、ジャイアンツ、ドジャース、カブスなど補強資金が豊富な大都市球団が獲得に躍起です。総額2億ドル(約294億円)以上のマネー戦争になるとも報じられていました」(米国人ライター)

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そんなNPBナンバーワン投手のどこがスゴイのかが、米球界の評価によって改めて見えてきた。

「米球界が高く評価しているのは、山本の〝カーブ〟です。今の時代、山本のような軌道のカーブを投げる投手は本当に少なくなってきました」(同)

23年版のプロ野球名鑑などにも記載されているが、「球種別の投球割合」を見てみると、2022年の山本の全投球2909球中497球。約17%がカーブだった。一番多いのはストレートだが、他のオリックス投手が「最も多く投げている変化球」は〝スライダー〟。山本のスライダーが占める割合はわずか2%だ。

「アマチュア球界を含め、今はスライダーの全盛期です。高校生投手に持ち球の質問をすると、ほとんどの投手が真っ先に挙げるのがスライダーです。むしろ、カーブが投げられないとこぼす投手もいて、投げられると言う投手がいても、縦スライダーのような軌道でした」(スポーツライター・飯山満氏)

山本の半円を描くカーブ

今季は〝スイーパー〟がブームとなった。それもスライダーの進化系と位置づけられており、山本の投球スタイルは独得とも言える。

「ブレーキの掛かった、半円を描くようなカーブを投げるのは山本だけかも。桑田真澄、工藤公康両氏が引退してからは、カーブを決め球に使う投手も見かけなくなりました」(同)

「昭和」を知る年長のプロ野球解説者たちに言わせれば、「みんな投げていた」とのこと。〝ドロップ〟なんて名称も使われていた。多種多様な変化球が研究されたことで、いつの間にか、カーブは忘れられてしまったのかもしれない。

「ドジャースのカーショウが、カーブで米国を代表するスター投手になりました。緩急と大きな曲がり幅のあるカーブを投げるのは彼だけ。カーブを操る山本が米国で成功するのは間違いありません」(現地記者)

山本の渡米により、カーブも見直されるはず。メジャー中継は高校球児も見ている。今後、彼らはきっとカーブを模倣してくる。カーブの時代が再来し、昭和の野球が見直されるのではないだろうか。

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