日本帰還後の初登板はホロ苦いものに…。2月20日、日本ハムとの練習試合で、楽天・田中将大投手が初の実戦登板に先発し、2回3失点の内容だった。
「インターネットでライブ配信されました。配信が事前に告知されていたせいか、反響も大きかったようです」(スポーツ紙記者)
しかし、結果は2回を投げて被安打4、失点3。奪三振も2とヤンキースの元エースとしては〝控え目〟な印象。まだ調整段階のようだが、凱旋登板の苦戦を予言していた同僚もいた。涌井秀章投手だ。
「田中が三度目のブルペン投球を行った12日に〝別の意味〟で注目が集まりました。田中は涌井、牧田和久らと同じ組になり、並んで投球練習をしたんです」(同・記者)
田中は直球を投げる際、「ウォリア!」と雄叫びを上げることがある。「日本公式球の感覚に戸惑っているのか、スピードが出ていない。だから力を込めて」というのが周囲の見方だ。スプリット、スライダーの軌道もまだイメージとは違うらしく、時折、ストライクか否かを確認していた。
そんな調整段階ではあったが、ビッグネームの共演ということで、同日のブルペンはいつも以上にシャッター音が鳴り響いていた。
黒星スタートなら経済効果も下方修正!?
「田中はこの日も変化球のブレに苦しんでいました」(同)
それを見かねたのか、涌井が「ボールじゃん?」と、ひと言。田中は振り向いたが、何も返さなかった。日本とメジャーでは、ストライクゾーンも微妙に異なる。外角に広いメジャー式を消し去らなければ、ペナントレース本番で苦しむことになる。それを涌井が指摘したようだ。
「関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、田中帰還が宮城県にもたらす経済効果は57億円強。通年、宮城県のローカルテレビ局、地方紙は1社くらいしかキャンプに来ないんですが、今年は数社も現地入りしています」(球界関係者)
地元の期待もプレッシャーと化し、力が入り過ぎているのかもしれない。
もっとも、その57億円強の経済効果にしても、田中がペナントレースで黒星スタートとなれば、下方修正ということになるだろう。
「田中は性格も優しいので、後輩たちにも自分から話し掛けています。変化球の握り方なんかも惜しみなく教えています」(同・関係者)
メジャーに移籍した当初は、こんなに緊張していなかった。涌井の掛け声が、自分を取り戻すきっかけになればいいのだが…。
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