(画像)wakamatsu.h/Shutterstock
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楽天・安楽智大が“台湾経由”で巨人入り!? パワハラ行為「隠密処理すべきだった」の声も…

チームメイトへのパワハラ行為で、東北楽天が自由契約にした安楽智大投手(27)の巨人移籍説が浮上した。台湾プロ野球の楽天モンキーズに〝みそぎ疎開〟し、その後に逆輸入のウルトラ技。その裏には、ドラ1入団時の監督だった巨人OBが暗躍――。


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愛媛が産んだ剛腕が、パワハラ行為で後輩たちから訴えられ、腐ったミカンに成り下がった。東北楽天が12月1日に事実関係を認め、保留名簿から外し事実上、解雇された安楽智大だ。


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「事実上」というのは、引き取り手がない安楽に対し、三木谷浩史オーナー(58)が温情を示したからである。楽天グループに詳しい国際流通の事業者によれば、台湾の姉妹球団『楽天モンキーズ』に転身するプランが進行しているという。透けて見えるのが、三木谷氏の〝肝入り〟で入団した経緯だ。


楽天は2014年のドラフトで安楽を1位指名(ヤクルトと競合)し、交渉権を引き当てたが、すべては三木谷氏の〝鶴の一声〟だった。


「愛媛の済美高校2年時に春の甲子園で準優勝。最速157キロとポテンシャルも高かったが、それ以上に惚れ込んだのが彼の名字。『安い楽天、名前がいい』と。三木谷氏お得意の現場介入です。オーナー主導の人事だけに、解雇とはいかない。三木谷氏の沽券、社の名誉に関わる問題だからです」(楽天担当記者)


そうは言っても、ロッカールームで後輩選手に下半身の露出を強要したり、暴言や人格否定のイジメ行為。罰金の名目での金銭の徴収――許される行為ではないが、「大ごとになる前に、トレードで隠密に処理すべきだったのではないか」と疑問視する声も多い。


知名度があり、年俸も手頃な3700万円なら、それなりの選手を獲れたはず。さらに言えば、シーズン途中で公表しておけば、残り期間を出場停止にし、来季復帰も可能だった。


「球団の狙いの本丸が、田中将大の牽制にあったからではないか。安楽は田中を慕っていた」と訝るのは、球団OBの解説者。


つまり、今回の不祥事で2次的とはいえ、大打撃を受けたのが田中だ。パワハラ行為を知りながら注意もせず、見て見ぬふりをしていたことが選手たちへのヒアリング調査でも分かった。本人も自身のX(旧ツイッター)で「意識が甘かった」とつづっている。

巨人元打撃コーチの関わり…

田中の楽天復帰3年目の今季年俸は4億7500万円で、7勝11敗。球団は契約更改交渉を優位に進めるため、安楽のパワハラを高額減俸の道具に利用したとの見立てだ。ファンの反応も年長者の田中の対応に批判的な意見が多く、大幅減俸を受け入れざるを得ない。

真偽はどうあれ、これだけ炎上しては、各球団も安楽に手を出しづらい。そこで浮上したのが姉妹球団、台湾楽天へのグループ内の人事異動だ。そこで現役を続行させ、その後、日本復帰のウルトラ技である。


楽天グループは08年に立ち上げた台湾楽天市場を起点に楽天トラベル、楽天カードを台湾に設立。19年には三木谷氏の意向でプロ野球チーム『ラミゴ・モンキーズ』を買収。『楽天モンキーズ』を誕生させ、独自の経済圏の旗艦に据えた。


台湾での事業は右肩上がりだが、日本国内では三木谷氏肝入りの携帯電話事業が巨大赤字。利益が出る台湾事業の拡充を急速に進めている。安楽の台湾球界転身も、その延長線上にある。


そんな中、巨人は11月、球団創立90周年を記念して来年の春季キャンプ後の3月2、3日に台湾プロ野球の中信ブラザーズ、楽天モンキーズと2試合行うと発表した。巨人軍のファン感謝デーでさりげなく発表したが、台湾では日本以上に大きく報じられている。


「台北市に完成した新球場『台北ドーム』での親善試合です。巨人は台湾にゆかりのある王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)が活躍し、台湾プロ野球のスター選手・呂明賜がプレーしたチーム。一方で、楽天も来年は東北楽天の球団創設20周年。そのメモリアルゲームに安楽を送り出し、みそぎ登板の舞台にしようと。三木谷氏への忖度です」(スポーツ紙デスク)


この計画にいっちょ噛んでいるのが、今オフ、原辰徳氏の監督辞任で巨人打撃コーチを退任した大久保博元氏(56)だという。


同氏は1シーズン(15年)だけ楽天で監督を務めているが、その際のドラフト1位ルーキーがこの安楽。縁浅からぬ関係と言える。1位指名は三木谷氏のツルの一声だったにせよ、旗を振って追従したのが監督就任早々のこの男だったからだ。


今回の問題でも大久保氏は自身のYouTubeチャンネルで、後輩への心からの謝罪と前に進む勇気を持つことを助言している。


そこで三木谷氏との個人的なチャンネルを活かし、安楽を台湾モンキーズで救済。その後、逆輸入してはどうかと進言。台湾へ遠征する巨人もこの計画に関心を示しているという。


安楽は楽天球団が自由契約にしただけで、NPBが永久追放処分にしたわけではない。謝罪した上で台湾で猛省し、しっかりとした実績を収めれば、日本球界復帰は十分可能だ。


その場合でも多くの後輩選手と遺恨を残す楽天復帰は現実的ではない。その点、巨人は同様の暴力行為で日本ハムから出場停止処分を受けた中田翔を無償トレードで獲得した前例がある。


「大久保氏にとって、阿部慎之助監督(44)は巨人時代の後輩捕手。共にコーチで原巨人を支えた仲だ。来季いきなりの巨人入りは難しいが、シーズン中の電撃移籍は考えられる」(同)


楽天グループにとって、巨人の一軍台湾遠征の持つ意味は大きい。成功裏に終われば、次はシーズン中の交流戦(楽天VS巨人戦)開催。安楽の台湾異動、巨人への逆輸入計画もその一環だ。高校野球界のスター選手だけに、汚名に塗れたまま現役引退とならないことを願うばかりだ。