大嵐、到来かと思ったら、一転して波静か。今年の締めの九州場所は、大関霧島(27)の4場所ぶり二度目の優勝で幕を閉じたが、こちらも波乱なしの様相だ。
次の2年間の大相撲界のリーダー、10人を選ぶ来年の初場所後の理事選まであと2カ月弱。毎回、九州場所中に一門会が開かれ、一門代表の立候補者を絞り込む。今年も5つある一門のうち、3つが場所中に福岡市内で一門会を開いた。
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その中で最も注目を集めたのが、11月20日に開かれた伊勢ケ浜一門会だ。ここは親方衆が11人しかおらず、理事候補者も1人しか出せない小派閥であるが、よく紛糾する。今回は弟子の暴力事件で理事を辞任した伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の後任を誰にするかというのが大きなテーマで、本命はすでに役員待遇に抜てきされている浅香山親方(元大関魁皇)だった。
ところが、今年4月に一門の懇親会で優勝45回と抜群の実績を誇る宮城野親方(元横綱白鵬)が、「次の選挙に立候補する。ただし、一門の親方衆には迷惑をかけない」と発言し、注目を浴びたからだ。
あっさり前言を翻し…
「理事に当選するには10票が必要。一門の票を当てにしないということは、他の一門に散らばる外国出身の親方たちを糾合する算段でしょう。モンゴル系だけで自分以外に5人いますから。となると、他の一門にも多大な影響が。大相撲界が騒然となったのは当然です」(一門関係者)
しかし、宮城野親方は一門会のあと「(選挙には)出ません」と実にあっさり前言を翻し、立候補の意思がないことを明らかにした。なぜ、心変わりしたのか。
「貴乃花の二の舞になるのを恐れたんでしょう。貴乃花は強引に立候補したものの、最終的に協会から追い出されましたから。周囲も必死に止めたようです。まだ引退して2年ちょっと。無理して得なことはありませんから」(協会関係者)
結局、今回も理事選は定数きっかりが立候補し無投票となる見通しだが、相撲協会のトップを狙う宮城野親方の野望は健在。「この屈辱をバネに、数年後の理事就任を目指して闘志を燃え上がらせている」とのウワサも渦巻いているという。
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