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オリックスが中田翔と山川穂高をダブル獲得!? 打倒“阪神”へ『いてまえ打線』復活か!

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(画像)KPG-Payless/Shutterstock

日本一奪回にオリックスがなりふり構わぬ補強に着手した。昨オフの森友哉に続き、山川穂高(西武)、中田翔(巨人)の大砲両獲り。山本由伸の譲渡金48億円で、伝統の「いてまえ打線」を復活。岡田阪神「守備重視野球」を打ち砕く!

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大阪市の御堂筋と神戸市三宮で11月23日、セ・リーグを制した阪神タイガース、パ・リーグ覇者オリックス・バファローズの合同優勝記念パレードが行われた。

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沿道は38年ぶりに日本一に盛り上がる虎ファンで埋め尽くされ、猛牛軍団は〝関西ダービー〟となった日本シリーズに続いて辛酸を舐めた。

リベンジに燃える中嶋聡監督(54)だが、来季は3年連続で沢村賞を受賞し、3連覇に貢献した山本由伸(25)がポスティングシステムでMLBへ移籍。先発で今季11勝を挙げた左腕・山﨑福也もFA宣言し、日本ハム移籍が決まった。

「新しい戦力が入ってこないと、リベンジは難しい。岡田彰布監督は守備力で阪神を日本一にした。その牙城を崩すには、いてまえ打線の復活が一番」と、指揮官は福良淳一GMに、さらなる大砲補強を要望しているという。

絞り込んだのが、西武から国内FA権を行使した山川穂高(32)と、巨人を自由契約になった中田翔(34)の両獲りだ。「一塁・中田、DH・山川で棲み分ける戦略」とオリックス担当記者。

昨季、本塁打王&打点王の山川はソフトバンク、打点王通算3回の中田は中日入りが有力視されている。しかし、オリックスには莫大な埋蔵金がある。山本のMLB譲渡金だ。

ヤンキース、ドジャース、ダイヤモンドバックス、カブス、メッツ、レッドソックスなど15球団が獲得に乗り出しており、7年総額2億ドル(約300億円)が基本線。譲渡金はミニマムでも約48億円。大砲両獲りの軍資金には事欠かない。

ソフトバンクとの駆け引きが…

オリックスは昨オフ、首位打者2回の吉田正尚外野手のポスティングシステム移籍を容認し、MLBレッドソックスと5年総額9000万ドル(約134億円)で契約。譲渡金として1537万5000ドル(約23億円)を手にした。

「これを財源に、昨オフは西武からFA宣言した森友哉捕手を4年20億円で獲得し、リーグ3連覇につなげた。今オフは西武時代に森と3、4番を組んだ山川(今季年俸2億7000万円)に狙いを定め、森とほぼ同条件を用意している。2人は2013年のドラフトで森(大阪桐蔭高)が1位、山川(富士大)が2位で西武に入団した同期生。先乗りした森が、受け入れ環境を整えている」(スポーツ紙記者)

実は山川争奪戦では、ソフトバンクとの間で巧妙な駆け引きがあった。パ球団の編成担当が明かす。

「オリックスは当初、元メジャーのセーブ王でソフトバンクの守護神・オスナ強奪に動いていた。しかし、早々に手を引き、ソフトバンクがプロ野球歴代最高となる田中将大の年俸9億円(楽天、21年、22年)を超える4年40億円での残留で一件落着させた。つまり、オリックスはマネーゲームを回避することでソフトバンクに恩を売ったのです。その見返りが山川の断念。暗黙のバーター」

王貞治会長がコンプライアンス的(知人女性への強制性交等容疑で書類送検=不起訴処分)に山川獲得に難色を示していることも大きい。球団首脳も「福岡に来たら、博多や中洲でまた女性問題を起こすのでは…」と懸念し、小久保裕紀監督は巨人からアダム・ウォーカーを交換トレード(ソフトバンクは高橋礼、泉圭輔を放出)で獲得。「一塁・中村晃、DH・ウォーカー」にスイッチした。

一方の巨人・中田は、就任早々に阿部慎之助監督が「三塁・坂本、一塁・岡本」を明言したことで、来季はベンチ要員が濃厚に。こんな事態に備えてか、中田は昨オフ、巨人と新たに年俸3億円で3年契約を結んだ際、契約を破棄できるオプトアウト権を設けていた。

案の定、退団を決意し、人的補償が伴うFA権を行使せず、自由契約に。その際「別リーグに」の注文があったとの情報もある。

球団総年俸を上回る譲渡金

だから大砲不在の中日・立浪和義監督(54)が、いくらラブコールを送っても可能性は低い。自由契約にしてくれた恩をアダで返すわけにはいかず、パ・リーグのロッテ入りに傾いているという。

そうは言ってもロッテであれ、中日であれ、年俸3億円での契約は難しい。そのギャップを突いたのが、オリックスだ。

「中嶋監督は日本ハム時代の先輩、福良GMは恩師。しかも、07年のドラフトでオリックスが1位で指名したのが、当時、大阪桐蔭高校の中田です。4球団競合の末に外れくじに終わった因縁もあり、ファンも期待している」(前出・パ球団の編成担当)

今季の球団別総年俸は、首位ソフトバンクの70.5億円は別格として、2位が巨人46.1億円。オリックスが6位で35億円、阪神が9位で31.2億円…。ざっくり言えば、山本の譲渡金は巨人の総額を上回る。

この置き土産で、オリックスは広島から国内FAを宣言した西川龍馬外野手(年俸1億2000万円)を4年総額12億円で獲得。さらに、18年夏の甲子園で旋風を起こし、ドラフトで日本ハムに1位入団した吉田輝星投手(金足農高)をトレードでゲットした。中嶋監督と同じ秋田県の出身。こちらは論功行賞の〝郷土愛補強〟か。

来季はカープの4番で活躍(今季セ・リーグの打率2位)した西川が入ったことで、森、山川、中田の大砲3人が生き、日本シリーズで活躍した頓宮裕真もいる。これこそ、中嶋監督が描く往年の〝いてまえ打線〟の復活。関西ダービー敵討ちの秘策だ。

〝専守防衛〟の岡田阪神を粉砕するには、迎撃困難な弾道ミサイル導入以外にないという判断だ。

来シーズンの関西ダービーは、主役が交代するか。

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