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『週刊実話』創刊65周年特別企画・本誌が選んだ時代のヒーロー〜平成前期4つの時代を生きた“経営の神様” 松下幸之助

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(画像)beeboys/Shutterstock

 本誌『週刊実話』が誕生したのは昭和33(1958)年のこと。前々年の経済白書が〝戦後の終結〟をうたい、日本経済が飛躍的な成長を遂げた時期に、『実話出版』から9月22日号として創刊された――。その後、一時的な休刊を経て昭和42年5月、『日本ジャーナルプレス新社』(弊社『日本ジャーナル出版』の旧社名)の設立とともに復刊。以来、週刊誌として発行され、今年創刊65周年を迎えたのである。その65年の歴史の中から選びぬいた、いまも輝ける時代のヒーローたちをご紹介。

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昭和から元号が切り替わった平成元年4月、経済界に激震が走った。〝経営の神様〟と呼ばれ、明治、大正、昭和、平成と4つの時代を生きた松下幸之助が、94歳で死去したのである。

ご存じの通り、幸之助は松下電器を世界的企業に押し上げ、晩年は松下政経塾を創設して政治家の育成に注力した経済界の偉人。そのため、各メディアはこぞって「巨星墜つ」と追悼したほどだった。

のちに日本を代表する実業家となった幸之助は、明治27年に和歌山県で生まれ、小学校4年で火鉢店に丁稚奉公に出された。大正7年に『松下電気器具製作所』を創業。同14年に『ナショナル』ブランドを立ち上げ、ラジオや乾電池などの製造を始め、松下電器の基礎を築いた。

生涯“5000億円”の資産

昭和36年に70歳で会長職に退いたものの、同社が未曾有の経営危機に陥ると、自ら営業本部長代行を兼務。同39年に全国の販売店主らを招いて再建を訴えた逸話は、今でも業界の語り草となっている。

また、幸之助は国税庁が発表していた高額納税者番付でも、全国1位を10回も獲得。当時は額に汗して働くメーカー社長がトップとなるのが当たり前の時代だったが、この〝経営の神様〟は生涯で5000億円もの資産を築いたといわれている。

平成20年に松下電器は『パナソニック株式会社』に社名変更し、令和4年には持株会社体制の『パナソニック ホールディングス』に移行。海外企業に買収される国内メーカーが続出する中、現在も堅調な経営を続けている。社名は変われど、幸之助の理念は脈々と受け継がれているのだ。

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