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意識不明のモノマネ芸人・春一番が猪木のビンタで起き上がって元気になった!? 【著名人の壮絶な闘病20】

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(画像)pathdoc/Shutterstock

今年3月28日に死去した世界的な音楽家・坂本龍一さん(享年71)は、亡くなる数日前に家族や医師に「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほどだったという。坂本さん以外にも、凄絶な闘病の末に旅立った著名人は多い。

アントニオ猪木さんのモノマネで知られたピン芸人の春一番さん(享年47)は、大好きだった酒がやめられず、「肝硬変」で命を落とした。

2年間の会社員生活を経て、1985年に片岡鶴太郎さんに弟子入り。伝説の番組『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(日本テレビ系)でブレークし、以後は猪木さんのモノマネ一本で勝負していた。

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しかし、電車の中でワンカップ、多い時はバーボン1リットル、ワイン3本を飲むこともあったという無類の酒好きでアルコール依存症に。見かねたビートたけしさんが、「お前が酒やめたら、俺が一生番組出してやるから」と説得したが酒を飲み続け、度重なる素行不良で94年に事務所を解雇された。

「最後にビンタしてください」

2005年8月には「腎不全」で緊急入院。肝臓、すい臓などにも異常が見つかり、以降は長い闘病を余儀なくされた。

闘病中の〝都市伝説〟として、意識不明で生死の境をさまよっていたとき、見舞いに来てくれた猪木さんが「闘魂注入」のビンタをしたら起き上がって元気になったというものがある。

スポーツ紙の記者が解説する。

「もちろん、実際にはビンタはしていませんよ。腎不全で入院し、肺にもウミがたまっていることが分かり、医師から死の宣告を受けるほど重篤化した際、夫人が猪木さんに頼んで見舞ってもらったそうなんです。意識がもうろうとする中、春さんが『最後にビンタしてください』って頼んだら、猪木さんが『今日はやめとこうよ』って苦笑い。10分ほどの見舞いだったそうですが、その後は驚異の回復力を見せ、見事に復活したという話です」

このときは幻覚にも襲われ、〝死者の行進〟も見たという春さん。もともと体が弱く、「骨粗しょう症」などにも苦しめられた。

同期だった爆笑問題の番組に出演した夫人が明かした最期は切ないものだった。

14年7月2日に帰宅後、1人で酒を飲んで酔っ払った春さんを夫人が3日午前1時ごろに寝かしつけようとすると、しきりに「ごめんね、ありがとう」と繰り返していたというのだ。

午前4時ごろに夫人が目を覚ました際にはいびきをかいていたというが、7時前に起こしに行くと「冷たくなっていた」。

武藤敬司のモノマネで知られる神奈月さんは、春さんがせっかく来た仕事を「いえ、猪木さんはそんなことしませんから」と断っていたほどリスペクトしていたと明かしている。

その猪木さんからは、こんなお別れの言葉が送られた。

「送る言葉にふさわしくないかもしれませんが、あえて、元気ですかー!!を送ります。謹んでご冥福をお祈り致します」

今となっては、天国で2人が楽しいお酒を飲んでいるシーンが目に浮かぶようだ。

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