(画像)Anton Veselov / Shutterstock.com
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ロシア軍“秘密兵器”は期待外れ!? あっさり撃墜されプーチン絶体絶命のピンチ

ロシア軍が絶体絶命だ。プーチン大統領が「無敵」と誇る秘密兵器のミサイルが、ウクライナ軍にことごとく撃墜された。英国の高性能ミサイルを入手したウクライナのゼレンスキー大統領は、西側諸国のさらなる軍事支援を取り付けるため、G7広島サミットにサプライズ来日。対するロシアは人材、物資とも不足し、技術についても疑問符がつく状態だ。


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ロシア軍の極超音速弾道ミサイル『キンジャール』は、射程が約2000キロ、最大マッハ10で標的に接近するという触れ込みだった。飛行機発射型で迎撃困難とされ、通常弾頭だけでなく核弾頭も搭載できるとあって、プーチン大統領も「ミサイル防衛は事実上無敵」と自慢していた。


しかし、虎の子のミサイルとして実戦投入したところ、これがとんだ期待外れに終わった。


ロシア軍は5月16日、ウクライナの首都キーウなどに向けてキンジャール6発を含む18発のミサイルを発射したが、ことごとく撃墜されてしまった。自爆型ドローンや偵察型ドローン計9機も、すべて撃ち落とされたという。


キンジャールを撃墜したのは、米軍が供与した地対空防衛システム『パトリオット』だ。この名称に聞き覚えがある人も多いだろう。1990年8月2日に勃発した湾岸戦争で、イラク軍が発射する『スカッドミサイル』の撃墜に使われたことで知られるようになった。最大射程は160キロで、巡航ミサイルや航空機の迎撃も可能だという。日本の自衛隊にも『PAC3』として配備されている。


「湾岸戦争時から改良を重ねているとはいえ、パトリオットは〝枯れた技術〟の兵器。最新鋭をうたったキンジャールがあっさり撃ち落とされたことで、プーチン政権は大きなショックを受けているはずだ。ロシア当局も『キンジャールは6発ではない』と発射数を否定するのが精いっぱいで、撃墜されたこと自体は認めるしかなかった」(軍事ジャーナリスト)

250キロの射程距離が可能に…

ミサイル攻撃を繰り返すロシア軍に対し、ウクライナ軍も新たなミサイルを実戦投入した。英国が供与した長距離巡航ミサイル『ストームシャドウ』で、最大射程は250キロにも及ぶ。


これまで米国がウクライナに供与していた高機動ロケット砲システム『ハイマース』の射程は最大80キロなので、その3倍以上だ。しかも、ウクライナが保有する戦闘機から発射可能で、レーダーを回避する低空飛行で標的に達するという高性能を誇る。


「ハイマースを発射しても、せいぜいウクライナ領内のロシア軍制圧地に届くのがやっとだった。ところがストームシャドウによって射程が3倍になると、直接ロシア領内への攻撃が可能になる。防空システムに不安を抱えるロシアにとっては大きな脅威だ」(同)


ウクライナに供与された兵器が着実に成果を上げている一方、迎撃不可能とされていたロシアのキンジャールが、まったく使い物にならなかったのはなぜか。


「そもそも公表されていたキンジャールの性能が〝誇大広告〟で、実際の射程はもっと短く、精度も低かった。西側諸国の経済制裁によって半導体や精密部品の入手が困難になり、ロシア軍の兵器は通常より劣化しているとみられます」(大手紙外信デスク)


ロシア国営通信は4月25日、ロシア軍が最新鋭の戦車『T14アルマータ』をウクライナに実戦投入したと報じたが、こちらの性能にも疑問符がついている。


「究極の戦車」と喧伝されたアルマータは、15年5月9日、対ナチスドイツ戦勝記念日の軍事パレードに初登場したが、リハーサル中に突然停止するトラブルに見舞われた。その後も製造上の問題が発生し、いまだ量産体制が実現できていないと指摘されている。

これから実戦に必要な多くの兵器

今年5月9日に赤の広場で開催された軍事パレードには、このアルマータの姿がなく、登場した戦車は第二次世界大戦期の『T34』1両のみだった。例年は各地で行われる軍事パレードも、安全上の問題を理由に20カ所以上で中止になっており、戦車を含めて多くの兵器を実戦に投入せざるを得ない苦しい台所事情がうかがえる。


また、今後は空中戦でも変化が予想される。ロシア軍はウクライナ軍の約10倍の航空戦力を保有しているが、これまで戦闘機の支援に否定的だった米国が、方針を大きく転換。ウクライナが反転攻勢のため必要だと求めている米国製の戦闘機『F16』について、欧州の同盟国が供与を決めた場合、バイデン政権が容認する考えを示したのだ。


そうした中、G7広島サミットに出席するため、ゼレンスキー大統領が電撃来日した。


「ロシア軍の質は低下しているが、物量ではまだウクライナを上回っており、このまま膠着状態が続けば、ロシアが有利になる。ウクライナが外交攻勢に出ているのはそのためで、リスクを冒してまで訪日したのは、最新兵器の供与を含む追加支援を取り付けるためだった」(同)


ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で、3月に逮捕状が出ているプーチン大統領は、もはやロシア国外に移動するのが難しい。誤算を重ねて立場が危うくなる中、今後は兵器の調達能力の差によって戦況に変化が出てくるかもしれない。