今春、本誌(3月30日号)でも『北海道から旬のカニや魚介類を格安で提供する』という触れ込みの海産物詐欺を報じた。その後、逮捕者が出たにもかかわらず、被害は後を絶たない。今では北海道産と偽った〝カニカニ詐欺〟まで横行しているという。
数年前から北海道の札幌市中央卸売市場や小樽市などの海鮮市場業者の名前を騙った海産物詐欺は頻発していた。国民生活センターや全国の消費者センターなども海産物詐欺被害を把握し、注意喚起を促している。
6月7日、北海道警は札幌市に住む電話勧誘販売会社社長と同社役員2人の計3人を特定商取引法違反容疑で逮捕した。逮捕容疑は昨年12月、3人は共謀して千葉県の男性に海産物販売の勧誘電話をした際、「市場がつぶれて漁師になった。良い物が獲れた」などと嘘の説明をして契約を結び、カニなどを2万8000円で販売したという。
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「この手口で容疑者らは約5億円も荒稼ぎしていた。被害者の大半は高齢者。私も北海道産のサケとホッケを代金引換の1万5000円で買わされましたが、すべて外国産でした」(70代後半のフリーライター)
手口は変わらず…
毎年、年末になるとカニの需要が高まる。今年は夏の終わり頃から〝カニカニ詐欺〟の被害が続出。手口は他の海産物同様、「札幌中央市場の○○水産」「小樽三角市場の者」と名乗り、電話勧誘するという。
「カニ販売業者を装って『先日はありがとうございました』と切り出し、相手の情報を聞き出す。そして、『抽選でカニが当たった』などと言って、タダでもらえると錯覚させる。後日、代金引換でカニが自宅に届くと、そのカニは市場に出回らない粗悪品。クレームの電話を入れると逆ギレ。正当な道内のカニ業者は電話勧誘しませんよ。ほとんどのケースは、悪徳業者が市場の顧客リストを〝名簿屋〟から買っているようです」(道内のカニ卸業者)
年末に向かい〝カニカニ詐欺〟の電話勧誘は、ピークを迎えるとみられる。
今年は道内のカニだけでなく、秋サケやイカも不漁続き。市場関係者を名乗る勧誘電話には要注意だ。
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