『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』クロスメディア・パブリッシング
『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』クロスメディア・パブリッシング

『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』~話題の1冊☆著者インタビュー

『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』クロスメディア・パブリッシング/1,738円
元山文菜(もとやま・あやな) 株式会社リビカル代表取締役。業務コンサルタント。大学卒業後、株式会社サクラクレパス、富士通株式会社を経て2017年に独立。2021年、医療に特化した業務コンサル会社(株)医療デザインラボを設立、同代表。
終わらない仕事を改善し、人手不足の職場事情を緩和する解決策を伝授する話題の1冊だ。【関連】『君が手にするはずだった黄金について』著者:小川哲~話題の1冊☆著者インタビュー ほか

――近年、会社業務が複雑化しているといいます。


元山 私が社会人になりたての頃、出勤簿はハンコでした。担当者はその紙を基に電卓などで集計すれば良かったのですが、その業務がデジタル化することによって、それは勤怠管理システムの仕事に置き換わりました。仕事の難易度だけを見ると、紙を見ながら電卓をたたく方がやりやすいのですが、人間が集計をするとミスもありますし時間もかかります。そのような仕事はシステムの方が得意なのです。


私たちはそのシステムを使いこなし、集計されたデータを分析したり次の仕事につなげるための処理を求められるようになります。このように、業務の根幹がデジタルシフト化されたことにより、残された仕事はより複雑になっていくのです。


【関連】『君が手にするはずだった黄金について』著者:小川哲~話題の1冊☆著者インタビューほか

――会社員にとってムダに長い会議は悩みのタネです。改善策はありますか?


元山 会議の目的をはっきりさせて、それに見合った人を呼び、それに合ったアジェンダを作るのが基本になります。ただ、慣れないうちはこれをやろうと思ってもすぐにはできません。そこで思い切って会議自体をやめてみるのも一つの手段です。デジタル化が進む現代においては、別のコミュニケーション方法に置き換えられないか考えてみてください。

試しに1日だけやってみて

――元山さんが特にムダだと感じることはなんですか?

元山 マイナスをゼロにするだけの作業です。代表的な例として転記・転載作業があります。例えば、ある企業ではファクスで送られてきた発注書を社内の受発注システムに入力するという作業がありました。商品名や数を間違えてしまうと、お客さんに大きな損害を与えます。重要に思えるこの作業は、同じ情報を異なる場所にダブって入力しているにすぎません。業務改善で解決できるにもかかわらず、これまでのやり方をやり続けて苦しんでいる人を見ると辛くなります。


――会社員がまず手始めにできるムダ改善方法を教えてください。


元山 どんな仕事にも終わりの時間を設定してあげてください。メール返信を始めたら、15分で終わらせる! と自分に宣言して、そのためにはどうやって進めたらよいのかを考えて取り組む。そして15分が経ったら一度終わらせて、何が上手くいって、どんな改善方法があるのかを振り返る。この繰り返しで、仕事はどんどんスッキリしていきます。試しに1日だけやってみてください! きっと達成感を持って1日を終えることができるでしょう。


(聞き手/程原ケン)