東京ドーム(C)週刊実話 
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阿部巨人が中田翔と丸佳浩をFA移籍へ!? ロッテ・澤村獲得の裏ワザ

ドラフトで母校・中央大学の後輩・西舘勇陽(21)を獲得した巨人の阿部慎之助監督(44)。次の一手は共に34歳の丸佳浩&中田翔のFA放出だ。そして人的補償を使った「ロッテ澤村」獲り計画が進行している。


17年間にわたり編成を牛耳った原辰徳氏から阿部氏に監督が代わり、巨人は東海大閥から中大閥に転換した。


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10月26日のドラフト会議では当初、青学大の右腕・常廣羽也斗(広島1位指名権)、国学院大の右腕・武内夏暉(西武同)、中央大の右腕・西舘は同列の最高評価だった。そこで「一番数を見ている水野雄仁スカウト部長に一任し、1位指名は当日に決定」(吉村禎章編成本部長)としていたが、前々日に阿部監督の鶴の一声で西舘の1位指名が決定。


結果は日本ハムとの競合の末、阿部監督が当たりクジを引き当て幸先がいいスタートを切る形となった。


「次に目指すのは監督の中大の後輩・澤村拓一(35)のロッテからの呼び戻し。このミッションが編成部門の最優先課題となり、浮上したのが、丸佳浩のFA放出です」と巨人関係者。ずばり丸にFAでロッテに移籍してもらい、その人的補償で澤村獲得という裏技だ。


巨人が2018年オフに丸(当時・広島)と炭谷銀仁朗(同・西武)をFAでダブル獲りした際、プロテクトせず人的補償で長野久義(38)と内海哲也を奪われた。その逆パターンという。


今オフは中田翔のFA移籍ばかりが騒がれているが、実は丸にもFA権行使の可能性がある。残留か、行使か。22年8月に取得した海外FA権について熟考を重ねているという。巨人との5年契約(各年4億5000万円)が、今季で満了したからだ。


「巨人に呼んでくれた原監督が続投していれば、FA行使など考えなかったろうが、状況が大きく変わった。阿部巨人の来季構想から外れているからです。飼い殺しにされるくらいなら、新しい場所で再出発という考えなのでしょう」(スポーツ紙巨人担当)


阿部監督は、守備位置や打順をコロコロ変えた前監督を反面教師に「レギュラーの固定」方針を打ち出している。今季リーグ優勝を果たした阪神・岡田彰布監督の戦術が手本となる。


坂本勇人を三塁に固定し、 三度目の本塁打王を獲得した岡本和真を一塁に。遊撃はルーキーの門脇誠。外野は有望株の秋広優人と長野久義、2年目の浅野翔吾、これが来季巨人の骨格図だ。


「外野の柱は現役時代から仲が良く、選手間の人望が厚い長野です。その長野は原巨人がFAで丸を獲得した際、プロテクト枠から外され、人的補償で広島移籍を強いられた。当時、両者が置かれていた立場を入れ替えようと、監督は知恵を巡らせている」(同)

原監督と相性合わず…

阿部監督の長野寵愛は尋常ではない。今季「右の代打」を争った松田宣浩と中島宏之は戦力外通告。丸についてもFA移籍で外野の一角を空けさせようとしている。丸がFA権を行使すれば、移籍先として有力なのが千葉ロッテだ。丸は出身が千葉県勝浦市、高校は千葉経大付属高。広島からFA宣言した際も、巨人とともに本命視されていた。

「最終的に条件が上回る巨人を選んだが、今回はより環境が整っている。今季2位に終わったロッテの補強ポイントは、得点力のある外野手。昨季盗塁王の髙部瑛斗は第一肋骨切除術でずっと不在だった。リードオフマンの荻野貴司も故障がち。丸がFA宣言したら、千葉ロッテは迷わず手を上げる」(地元紙記者)


今ドラフトで千葉ロッテの吉井理人監督は、外野手の度会隆輝(ENEOS)を1位指名し、DeNA、中日と競合。当たりくじを引けず、外れ外れ外れ1位で内野手の上田希由翔(明大)を獲得した。


ロッテ打線は、今季26発で本塁打王のポランコ(前巨人)が指名打者。今年7月に巨人から移籍した石川慎吾が外野で活躍。丸が続けば元ジャイアンツ・トリオが牽引することになる。


「これだけ、巨人と友好な関係にあれば、丸がFA移籍した際、澤村をプロテクト枠から外してもらうことは可能でしょう。FA権を保有したままトレードという手法もある。その辺は〝阿吽の呼吸〟でどうにでもなるのではないか」(スポーツ紙デスク)


澤村は中大の先輩・阿部の勧めもあり、10年のドラフトで巨人に1位入団。いきなり11勝を挙げ、2年目も10勝。高橋由伸監督時代の16年には救援王(37セーブ)に輝いたが、原監督と相性が合わず、制球難もあって’20年9月に香月一也との交換トレードでロッテに移籍。年俸1億円以上の投手のシーズン中のトレードは前例のない珍事だった。


しかし、原監督の呪縛が解けたロッテでは、セットアッパーとして活躍。チームのクライマックスシリーズ進出にも貢献した。


20年のオフに海外FAを行使してボストン・レッドソックスと契約したため、ロッテでのプレーは2カ月ほどだったが、レッドソックスではさらにポテンシャルを上げ、2シーズンで6勝13ホールドを記録。23年1月に日本プロ野球に戻った際は、ロッテを選んだ。


当然、原巨人も獲得に乗り出したがロッテは投手コーチだった吉井氏が監督に就き、より働きやすい環境に。あと1年早く阿部巨人が誕生していれば、話は違っていたのだろう。


一方、打点王3回の中田翔がFA宣言すれば、オリックス移籍が有力だ。編成トップの福良淳一GMは、日本ハム時代の〝恩師〟。日本シリーズ初戦で阪神投手陣に牛耳られたことも追い風になっている。


中大閥をメインストリームに原前監督の息のかかったFA選手をことごとく一掃。この大手術で阿部巨人は巻き返しを図るが、守旧派も多く難航も予想される。