九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)目前。力士たちも稽古に熱が入っているが、今年最も活躍した力士は誰か、その闘いぶりが浮き彫りになる〝最多勝レース〟も、いよいよ最終コーナーにさしかかっている。
先場所、貴景勝が初場所に次いで年内二度目の優勝を果たし、毎場所優勝力士が入れ替わるという珍事は11場所ぶりに崩れたが、2018年から続いている「毎年最多勝力士が入れ替わる」という混戦模様は今年も変わりそうにない。
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ここまでの戦績を見てみると、大栄翔の51勝24敗を筆頭に、2位が豊昇龍の49勝26敗と霧島の49勝24敗2休。4位が若元春の48勝27敗。5位が琴ノ若の45勝30敗となっている。
大栄翔、豊昇龍、霧島、若元春がトップ争いを演じているのは、今年に入って激しい大関昇進争いを繰り広げ、霧島と豊昇龍が抜け出し昇進した経緯があるから。首位の大栄翔は、いまだ関脇に甘んじているが、5場所中4場所で2ケタの勝ち星を挙げており、大関昇進は時間の問題と言える。
横綱と大関は「給料ドロボー」
「ただ、51勝という勝ち星は決して高くない。もし九州場所で全勝優勝しても66勝。過去には2009年、10年の白鵬のように86勝も挙げた力士もいますから。あの年の白鵬の負け数の合計はたった4。2年間で8でしたからね。いかに無敵の大横綱だったかが分かりますね」(担当記者)
このベスト5の中に、ひとり横綱の照ノ富士、今年に入り2回も優勝している貴景勝の名前がないのは不徳の致す限り。
照ノ富士は、今年に入ってフル出場したのは優勝した夏場所のたった1場所だけで、勝ち星の合計が15。貴景勝も2場所休場で34勝しか挙げていない。
たとえ九州場所で優勝しても逆転不可能な数字で、いかに今年の横綱、大関が頼りなかったかを物語っている。
「よくぞ給料ドロボーと言われなかったもの。照ノ富士は目下、3場所ぶりの出場を目指して調整中ですが、復調にはほど遠い状態。貴景勝も綱取りがかかっているが、安定性に欠け厳しそうです」(協会関係者)
相撲人気が低迷し続けているのも納得だ。
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