10月7日、ガザ地区からイスラエルに打ち込まれたロケットによる煙(画像)Opachevsky Irina/Shutterstock
10月7日、ガザ地区からイスラエルに打ち込まれたロケットによる煙(画像)Opachevsky Irina/Shutterstock

イスラエルを北朝鮮製ロケットが襲う!? 監視の目をすり抜け輸出されたか

10月7日、イスラム武装組織ハマスがパレスチナ自治区ガザから大量のロケット弾をイスラエルに発射し、大規模な襲撃を行った。撃ち込まれたロケット弾の一部には北朝鮮製とみられる物があった。


「今回の軍事衝突でイスラエル軍はハマスから押収した武器の写真を公開しています。その中にはロケット鄭弾の弾頭部分に赤い線が入っていたものがあった。これは旧ソ連が北朝鮮に技術移転した携行型対戦車ロケットランチャー『RP-7』に装填する『F-7ロケット推進擲弾』です」(軍事アナリスト)


【関連】米欧vs中露から“第三次世界大戦”へ!? 世界各地の反米勢力が集結か ほか2021年にオランダの世界的な軍事情報サイト『Oryx』がハマス軍の武器分析を公表している。それによれば、ハマスの軍事部門「エゼディン・アル・カッサム旅団」は、単体での破壊力は軽視できない北朝鮮製「プルセ-2」(火の鳥=対戦車ミサイル)を保有しているという。

トンネルで運ばれた?

「北朝鮮製武器は、ハマスを支援するイランが北朝鮮との間を取り持ち、国連安全保障理事会の監視の目を潜り抜けて輸出されたのでしょう。そのルートですが、まずアフリカのスーダンに空路か海路で運ばれ、そこから陸路でエジプトに入り、最後はエジプトからガザまで秘密裏に掘られたトンネルを通って運び込まれたとみられます。このトンネル技術も〝北朝鮮製〟です。何しろ北朝鮮は韓国攻撃用に4本の南侵トンネルを掘っており、今では観光名所になっています。そのうち1本は1時間で3万人の兵力が移動でき、戦車も通れるほどの規模でした」(同)

北朝鮮がハマスを支援する大義を掲げている点も見逃せない。


「北朝鮮はイスラエルを国家として承認しておらず、パレスチナをイスラエル領の正統な統治者として認めてきました。双方の交流の歴史は長く、パレスチナ側への軍事支援も1970年代には始まっています。北朝鮮にはカネだけでない『大義』が存在しているのです」(外交関係者)


北朝鮮はハマスの戦いを、来るべき米軍との地上戦の試金石としているのかもしれない。