東京ドーム(C)週刊実話 
東京ドーム(C)週刊実話 

阿部巨人・来季スタッフの大取に清原和博氏が浮上!? “見回り番長”で賭けに出るか

巨人の来季スタッフの大取として、清原和博氏(56)の名が上がっている。体育会系の阿部慎之助監督(44)の行き過ぎた指導を抑止する「見回り番長」的な役割だが、ベンチ入りは〝ギャンブル〟過ぎると判断。背広の一、二軍巡回コーチとして浮上した。


※※※※※※※※※※


「来季の阿部巨人を一言で表すなら、球団事情で放出した功労者の呼び戻し内閣。その意味では、大取として清原の追加コーチ就任も十分あり得る」


巨人が10月16日に発表した来季スタッフの陣容を見て、巨人OBの解説者たちから、このような声が聞かれた。


【関連】阿部巨人・メモリアルイヤーに屈辱!? 侍ジャパン選出メンバーにスタメンゼロの事実 ほか

偏った編成となったのは、球団の監督交代の判断が遅れたこと。さらに、従来の高年俸でのコーチ招聘を渋ったことが大きいが、自身の人脈でコーチを呼べなかった阿部監督の人間力不足も否めない。


極めて近い関係にあった大久保博元打撃、阿波野秀幸投手、元木大介作戦兼内野守備、石井昭男巡回打撃の各コーチらが、原監督の退任に伴い相次いで退団。若頭格の阿部氏だけがベンチに取り残された格好だ。


主要ポストが入れ替わり、一軍ヘッド兼打撃チーフコーチに二軍監督を務めていた二岡知宏氏(47、巨人→山本モナと不倫スキャンダル→日本ハム)。投手コーチに杉内俊哉氏(42、ソフトバンクからFA移籍→巨人ファームコーチ)と内海哲也氏(41、オリックスの1位指名を拒否して東京ガス→巨人→FA補償で西武)。打撃コーチは「公表時期調整中」としている。


ネット上では、この「謎のコーチは誰か?」で炎上。ゴジラ松井、高橋由伸元監督、ラミちゃん、清原氏、村田修一氏らの名が躍る。


「今の流れだと清原氏(西武からFAで巨人→戦力外通告でオリックス)入閣もあり得るが、打撃コーチは現役時代から新監督と仲が良かった村田修一氏(42、当時の横浜からFAで巨人→戦力外通告で独立リーグ)でしょう」(巨人OB)

阿部監督と清原氏の関係は…

公表時期を調整中としたのは、村田氏が現在千葉ロッテで打撃コーチを務め、クライマックスシリーズに参戦していたためという。

しかし、球団関係者の声を総合すると、清原氏の招聘案も依然としてくすぶっている。読売新聞グループ本社サイドが体育会系の阿部監督の行き過ぎた指導を危惧。暴走抑止の見回り役が必要という判断から、清原氏の巡回コーチ案が浮上しているのだ。


思い出すのが、阿部氏が二軍監督だった20年の早大野球部とのプロアマ交流戦。6-9で惨敗し、試合後、全員に罰走を命じて話題となった。現役時代にグアムで毎年行っていた自主トレでは、小林誠司捕手の態度が気に食わず、〝丸坊主にしろ〟と命令。小林は泣く泣くバリカンで頭を丸めたという逸話も残っている。


「こんな昭和的な指導をすれば、パワハラで騒がれる。原前監督の下で帝王学を学んできたとはいえ、44歳の血気盛んな年齢。そこで目の上のたんこぶだった清原氏に期待が高まったのです」(日本テレビ関係者)


問題は2016年に覚醒剤取締法違反で逮捕(懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決)された過去。すでに執行猶予期間は満了しているが、巨人はファンの反応を警戒。当面ユニホームは着用させず、背広で一、二軍を巡回するポストを模索している。


阿部監督と清原氏は現役時代、良好な関係ではなかった。2000年ドラフト1位で入団した阿部氏と、ピークが過ぎた清原氏の晩年が重なり、〝可愛がり〟のターゲットに。PL学園流の上下関係を叩き込まれた。


結局、清原氏は徒党を組む素行の悪さもあり、05年に戦力外通告を受け、オリックスへ。阿部氏に主砲の座を奪われた形となった。今も両者の緊張関係は続いており、順当なら入閣はあり得ない。


それでも球団が清原氏を欲するのは〝火種解消〟のため。次期監督候補となった桑田真澄二軍監督とのせめぎ合い解消だ。


若手選手の育成には「練習の質より量」を尊ぶ阿部監督と「スポーツ医学に基づいたトレーニング」をテーマに指導する桑田二軍監督の方針は対極。早くも齟齬が生じている。

前例を逆手に取る!?

阿部監督は、昨季から大久保前打撃コーチが導入した午前7時からひたすらバットを振り込む「アーリー・ワーク」を継続する方針だが、桑田二軍監督は「スロー・ワーク」を掲げ「朝はウエート(トレーニング)、グラウンドでの練習は暖かい時間に。できるだけ睡眠時間を確保したい」と真っ向否定している。

現役引退後、早大大学院でスポーツビジネスを学び、東大大学院でスポーツを学術的に研究した桑田氏と、〝スポ根一徹〟の阿部イズムとは噛み合わない。


「このまま放置すれば内部分裂は必至。そこで、どちらにも与しない番長、清原氏の存在がクローズアップされたのです」(前出・巨人OB)


桑田と清原は、PL時代に夏の甲子園で二度優勝した同級生。しかし、プロ野球入団時のドラフトの経緯もあり、関係は最悪に近い。それを差し引いてもチーム内の均衡を保つには必要という上層部の判断なのだ。


原前監督は21年の年明け早々に「非常に気になる後輩がいる」としてサプライズ人事を敢行。すでに発表済みのコーチ陣のテコ入れとして桑田氏を投手チーフ補佐として入閣させた。


「この前例を逆手に取って、阿部監督も自らの提案で清原氏の入閣を推し進めようとしている。確かに煙たい存在だが、味方に引き込めれば、桑田氏の勢力を牛耳ることが可能」(阿部シンパの日本テレビ関係者)


11月1日からの宮崎秋季キャンプで清原氏が私服で巡回予定。ファンの反応が良ければ、新首脳陣が一堂に会する1月上旬のスタッフミーティングでコーチ就任を発表する予定という。


飾りっ気のない阿部巨人に、清原氏が〝いっちょかみ〟すれば、セ・リーグは一段と盛り上がる。PLの後輩、中日・立浪和義監督に横恋慕される前に、1日も早いコーチ就任を願うばかりだ。