ビッグモーターやネクステージなどの保険金水増し問題で大揺れの中古車業界に、暗雲が立ちこめている。中古車に対する信用が失墜し、顧客離れが加速しているのだ。
振り返ればコロナ禍で中古自動車業界は、半導体不足による新車の納車遅れを受けて市場を急拡大。最大要因は車検切れとなるユーザーの買い換え需要を取り込んだことだが、23年3月期の中古車販売市場は過去最高となる3.9兆円を記録したほどだった。
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「ただし、過熱する中古車人気で仕入れ価格が急速に高騰。今年に入ってからは価格転嫁に苦慮してきた中古車店の倒産が相次いでいる。帝国データバンクによると、中古車の買い取り・販売を手掛ける業者の倒産は、2023年1〜9月に計57件発生。前年の年間52件を上回り、過去10年間で最多の90件台に迫る勢いです」(経済記者)
ビッグモーターやネクステージの事件が明るみ出たのは今年7月以降――同データを踏まえると、これらは〝中古車バブル〟崩壊のきっかけにすぎなかったとも言えるのだ。
安い定価でも保証などが加算…
もっとも、中古車業界もこうした事態に手をこまねいていたわけではない。「自動車公正競争規約・同施行規則の改正」により、10月1日から中古車の販売価格が車両価格と諸費用を合算した「支払総額」表示とすることが義務付けられた。これにより、安い価格で集客し、買おうとすると保証や整備費が加算されるケースがなくなるというわけだ。
「もともと、中古車業界では売り手の信頼が第一といわれてきた。そのため、この新ルールで消費者の疑心暗鬼を払拭し、業界の信用度を底上げしようという試みです。ただ、事件化した業者はかなりエグい営業をしていたため、どこまで信頼を取り戻せるかが危惧されています」(同)
まずは、お手並み拝見というべきか!?
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