歌舞伎役者・市川猿之助被告が、両親に睡眠導入剤を服用させて自殺を手助けした罪に問われている裁判の初公判が10月20日に始まった。〝一家心中〟の引き金になったのは、『女性セブン』がスクープした猿之助による男性への「セクハラ疑惑」だったが、歌舞伎界の〝性の闇〟はジャニーズ以上とも言われている。
2011年9月27日に「九代目市川中車」を襲名し、息子にも「市川團子」を名乗らせ、親子で念願の歌舞伎界入りを果たした香川照之。
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長年、実の父親である市川猿翁から歌舞伎界入りを拒絶されていた香川が頼ったのが、従兄弟にあたる市川猿之助被告(当時は市川亀治郎)だった。
「猿翁が三代目として名乗っていた『猿之助』の名は、スーパー歌舞伎の成功などで、その価値を高めていました。香川が歌舞伎界に入れば、将来的に『四代目猿之助』を名乗ることもできたかもしれませんが…」(演劇担当記者)
結局、「四代目猿之助」は亀治郎が襲名し、香川は中車、息子は團子を名乗ることになり、会見に臨んだ。
このとき、香川は同席した猿翁に「浜さん、ありがとう。恩讐のかなたにありがとう」と言わせたのである。
「猿翁の一言で、〝四代目猿之助襲名〟より〝香川照之親子の歌舞伎界入り〟が大きなニュースになり、猿之助被告は『中車にハメられた』と激怒していたそうです。以降、猿之助と香川の間に溝ができたとされています」(前出・演劇担当記者)
「しょせん、そんな奴だよ」
テレビや映画で圧倒的な存在感を示す大物俳優となっていた香川は、市川中車としても歌舞伎界を盛り上げ、〝二刀流〟で大活躍。趣味のボクシングや昆虫関係の仕事もこなし、CMにも引っ張りだこだった。
まさに絶頂期を迎えていた香川だが、2022年8月に『週刊新潮』が、銀座のホステスにセクハラや暴行を働いていたことをスクープ。『週刊文春』もTBS系ドラマの制作関係者との懇親会で、香川が女性スタッフの頭部を殴打していたことなどを相次いで報じたのである。
「一連の報道で、曜日MCをつとめていた情報ニュース番組『THE TIME,』(TBS系)を降板。CM契約もすべて失った。もともと高飛車な性格で酒癖も悪いと評判だった香川ですが、16年12月に離婚して以降、歯止めが利かなくなってしまっていたようです。振り回されていた関係者たちの不満が一気に爆発。これまでの悪行をどんどんリークされたんです」(芸能ライター)
スキャンダル報道で失脚した香川に対し、猿之助被告は「しょせん、そんな奴だよ」と吐き捨てたとされる。
しかし、その猿之助被告にもセクハラ疑惑が報じられ、一家心中を起こしたことで、事態は複雑化する。
「猿之助被告の代役を引き受けた團子の評価が上がり、澤瀉屋の実質的なトップのポジションも中車にシフトした。ただ、團子は将来的に『五代目猿之助』を襲名できる可能性があったが、その名が地に墜ちてしまいましたからね。香川にとっては悩ましい状況と言えそうです」(同・ライター)
ジェットコースターのような香川の人生。その過酷な運命は、実の父親である猿翁が12歳の時に16歳年上の人妻に恋心を抱いたところから始まっていたのかもしれない。
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