小池百合子 (C)週刊実話Web
小池百合子 (C)週刊実話Web

どうする?小池百合子“都知事3選”狙うも暗い影…東京・神宮外苑再開発が大逆風に

2024年7月に2期目の任期満了を迎える東京都の小池百合子知事が、3選を目指して出馬するのはほぼ確実と目されている。立候補すれば、当選確定とみられていた小池都知事の3選に暗い影を落とす問題が急浮上した。東京・神宮外苑再開発だ。


なぜ、神宮外苑再開発が小池都知事3選に大逆風となり得るのか。神宮外苑再開発は面積にして約28.4ヘクタール、新宿区や港区、渋谷区にまたがる広大な敷地だ。


【関連】小池百合子都知事大ピンチ!? 「神宮外苑再開発」反対派からの風当たり強く… ほか


大手建設会社幹部が解説する。


「明治天皇をまつる神社として、1920年に明治神宮が創建され、その外側に神宮創建記念として外苑が造られた。だから敷地は大半が明治神宮の所有です。敷地内にはプロ野球の東京ヤクルトスワローズの本拠地・神宮球場や秩父宮ラグビー場がある。これらの施設が老朽化し建て替えの必要性があるため、再開発話が2015年に浮上、急速に話が進んだのです」


再開発事業の主体は土地所有者の明治神宮や三井不動産など。計画では敷地内に高さ200メートル近くの超高層ビルが2棟、他にも80メートルのビルや、新球場にはホテルも併設される。2036年完成予定で、総事業費は約3500億円のビッグプロジェクトだ。


「この再開発計画は大きな問題を抱えています。神宮外苑の緑豊かな杜を形成する樹齢100年といわれる樹木を含む700本超が伐採される。これに都民の間から『環境破壊』の声が沸騰し、反対運動や訴訟まで起きています。特に、大きな転換期となったのは作曲家の坂本龍一氏の言動でした。坂本氏は事業認可責任者の小池都知事に対し、再開発計画の中止、見直しを望む手紙を今年3月上旬に出していたことが判明した」(民放局都政担当記者)

『イコモス』が東京都に“ノー”

坂本氏の手紙には『目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません』と記してあった。坂本氏はこの手紙を小池氏に送付直後の3月末に死去したことから、開発反対派の間では〝坂本氏の遺言状〟として、その輪が一気に拡大していったのだ。


また、人気作家の村上春樹氏や浅田次郎氏らも反対を表明しており、音楽界ではサザンオールスターズの桑田佳祐氏も新曲の歌詞で神宮外苑再開発に疑義を投げかけている。


「事業認可で、業者は一部建物の解体に着手している。小池都知事は『事業を進めるのは民間事業者で、都は規則に則って認可しただけ』という姿勢。坂本氏が命を削った最後の訴えに見向きもしなかった。小池都知事の無慈悲な対応に憤りを感じた都民、国民は多いはず」(全国紙社会部記者)


9月、いよいよ一部の高木を伐採に動く直前、小池都知事を真っ青にさせる出来事が起きた。国連の教育科学文化機関ユネスコの諮問機関『イコモス』が、神宮外苑再開発に「文化遺産の不可逆的な破壊」として事業者と東京都にノーを突き付けた。しかも、警告としては最も重い遺産危機警告の「ヘリテージ・アラート」を出したのだ。


「事業者は当然ですが、東京都にもノーが突き付けられたのには驚愕です。再開発に関する都市計画決定を見直し、環境アセスメントのやり直しを都に要求した。さらに、イコモスの責任者であるエリザベス・ブラベック委員長は会見で『東京のような世界の主要都市で、公園として用いられてきた空間に高層ビルが建てられるのは聞いたことがない。異例だ』と都を批判した」(前出・都政担当記者)

都議も開発反対へ動き出した…

さすがの小池都知事も、イコモスの厳しい指摘には〝頬かむり〟できなかった。


「イコモスの警告に罰則規定はない。だが、配慮しなければ、都も事業者もジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏による性加害問題のように世界中からバッシングを浴び、袋叩きに遭う。小池氏は事業者に伐採を延期し、見直し案を改めて出すよう指示せざるを得なかったのです。特に、反対派が懸念しているのは、外苑のシンボルでもある300メートル4列のイチョウ並木のすぐ傍に新球場を建てること。工事で並木が傷み枯れてしまう心配です。事業者は新球場を計画より並木から遠ざけるセットバック案と、伐採総本数を減らすことをメインに再検討しているようです」(都関係者)


イコモスのヘリテージ・アラートや坂本氏、桑田氏らの影響か10月に入ると、都議会で動きがあった。都議の約3分の1に相当する40人が超党派で加わる神宮再開発反対議連が発足したのだ。同議連に参加する都議の話。


「小池都知事や事業者は再開発の代替案を出してくるだろうが、実態は現案を少し手直しした程度で事を推し進めようとするのは間違いない。我々の希望は白紙撤回か大幅見直し。年明けに伐採再開で動きたい事業者の工程を徹底して阻止し引き延ばす。そして来夏、小池都知事が3選を目指すなら、神宮再開発反対を前面に掲げて都知事選を戦う。支援する候補者+坂本・桑田、村上、浅田、イコモスが加わった〝援軍〟VS小池軍の構図です」


都知事選の前哨戦は、もう始まっている。