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JRA重賞『菊花賞』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web 

強い、強いとは聞いていたがホントに強かった。もちろん、秋華賞で堂々の3冠馬となったリバティアイランドのことである。直線に入り早くも先頭に立った時、すでに馬も、川田騎手も、競馬ファンも勝利を確信した。2着岩田望マスクトディーヴァに1馬身差は着差以上に完勝、圧勝であった。

さあ、今後はどうする? 牝馬同士ならエリザベス女王杯だが、中3週だしなぁ…。ファンの期待はイクイノックス出走予定のジャパンカップでの〝現役最強〟対決だろうが、この2頭、しばらくは国内では負けないだろう、と公言している手前、個人的には来年の対決を楽しみにしたい。

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2着マスクトディーヴァには正直驚いた。ローズステークスレコード勝ちの反動があるのでは? と半信半疑で買い目に入れたが、相手が悪かっただけで堂々の2着。まだキャリア4戦、伸びしろもありそうだ。3着はルメール大将ハーパーがやっとこさ確保して、私の馬券的には馬連&3連複ダブル的中と相成った。

560円と1210円では、わずかにトリガミで威張れないのだが、2週連続的中には変わりない。本当は、5着で7番人気の横山典モリアーナがハナ、首差逆転して3着に来てれば3連複はもっと好配当になったなあと、レバタラは続くよ、どこまでも…。

さあ反転攻勢も続くよ、どこまでも、と太鼓を叩いて、3週連続的中と行きたい秋のGⅠ戦線第3弾の菊花賞である。その前に、恒例のリーディング争い情報を少々。川田が秋華賞を含め土日で5勝の固め打ちに対し、ルメール大将は2勝止まりで、首位が逆転となった。毎週のように1、2位が入れ替わっているが、今週はルメール大将がひっくり返す番かね。ますます目が離せない。

その両雄、菊花賞での戦前予想では、騎乗馬が主役の座を明け渡している。1番人気は恐らく皐月賞馬の横山武ソールオリエンスか、ダービー馬で今回はモレイラに乗り替わるタスティエーラ。川田サトノグランツは3番人気になるかどうか。ルメール大将のドゥレッツアは、オープンに上がったばかりなのに、鞍上手腕で4番人気ぐらいに押し上げられたら人気先行で妙味は薄いし、おまけに大外を引いた不運もあるが…。

“映画連想馬券”の本命はサトノグランツ

そこで私の軸馬は、前出の川田サトノグランツ。京都コース勝ちがあるのは、この馬だけ。それも春のGⅡ京都新聞杯なら中身も濃い。さらに父サトノダイヤモンドも、祖父ディープインパクトも制したこのレースに縁がありそう。なるか〝菊花賞馬三代〟! 夏以降絶好調の川田はGⅠを2戦2勝だし、GⅡも2つ勝っている。人気はアチラ、勝利はコチラ、と川田サトノを狙いたい。先日逝去した財津一郎氏を偲んで、〝来て~、チョーダイ!〟

2番手は、やはりGⅠ馬のどちらか。こちらも菊花賞馬キタサンブラック産駒の横山武ソールオリエンスが有力。ただ、セントライト記念の負けは少しイヤで、成長力に? かも。春からブッツケのほうが好結果なのは最近のトレンドだが、菊花賞にはこの10年、その傾向は通用せず、ダービーから直行のタスティエーラは不利か? ただこの馬、新馬のムーア、ダービーのレーンと、テン乗り外国人騎手で2戦2勝、今回はモレイラが騎乗する。

実は外国人好き? 私も外国人美女が好き(特にパツキン!)なので勘ぐったりして。もし来たら、「ホラ、やっぱし!」と囃し立てよう。他に武豊ファントムシーフ、ご贔屓・松山ハーツコンチェルト。それに一応、前出ドゥレッツァ。再び穴を、で池添サヴォーナまで。

さて〝映画連想馬券〟だが、サトノグランツのグランツは〝輝き〟という意味だとか。そこから昭和のアウトロー青春映画『とりたての輝き』(81年)を選んでみた。題名の〝とりたて〟とは、サラ金の取り立て屋のこと。なかなかの題名だ。少年院出身の優也(本間優二)は兄貴分の英次(田村亮)と組んで、苛烈な取り立てを行う日々だが、彼らの人生もまた追いつめられてゆく…。

『十九歳の地図』(79年)に続いて鬱屈した主人公を演じた本間が、ささくれ立った心とナイーブさを眼差しに込めて熱く演じた。森下愛子、宮下順子、水島美奈子など、昭和後期を彩った女優陣も充実の佳作だ。

買い目は、⑪から⑦⑧⑫⑭⑮⑰へ馬連&3連複。縦目の馬連として⑦⑫⑭⑮のボックス。さあ、3週連続的中と行こう!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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