侍ジャパンの目標は、2026年のWBC連覇だけではなかった。真の標的は28年のロサンゼルス五輪と言っていい。よって、「イチロージャパン」を実現させなければならないのだ。
「ロス五輪の追加競技として、『野球・ソフトボール』を含む5種目がIOC(国際オリンピック委員会)理事会で13日、承認されました。NPBは、この流れを早い時期から聞かされており、それに向けた対策も講じてきました」(球界関係者)
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野球・ソフトの実施は21年東京五輪以来、2大会ぶり。さらに衝撃的だったのは、世界野球ソフト連盟会長のリカルド・フラッカリ会長のコメントだ。IOC理事会の会場であるインド・ムンバイ入りした直後、高らかにこう宣言した。
「MLB機構側からトップ選手の参加を確約してもらった。文章もある。選手会の合意も得られた」
つまり、ロス五輪の米国代表チームはメジャーリーグの精鋭集団となる。またメジャーリーガーを多数輩出しているドミニカ共和国、ベネズエラなどの中南米各国も侮れない存在となる。
「ホスト国のアメリカとすれば、自国4大スポーツの一つである野球が盛り上がらなければ、沽券に関わります」(スポーツライター・飯山満氏)
“儲かる”ことをIOCにアピール
NPB関係者によれば、「28年復活」の可能性が大きいことは、東京大会中に聞かされていたという。
「侍ジャパンもメジャーリーガーや日系人選手を含めたドリームチームを編成します。当然、米国の野球ファンの目を日本に向けさせるため、現地でも通用するビッグネームのイチロー氏(49)を監督に迎えて、米国、ドミニカなどに対抗します」(同)
米国の野球ファンを振り向かせるだけでなく、野球競技の盛り上がりと満員のスタンドをIOC首脳に存分に見せつけ、〝儲かる〟ことも訴えなければならないのだ。
「イチロー氏は、監督業に興味ナシと発言していますが、ロス五輪が開催されるのは28年、50代半ばにもなれば考え方も変わってくるし、野球界全体のことも考えてくれるはずです」(同)
悲願は五輪の正式競技に復活させること。これまで五輪には非協力的だったMLB機構もホスト国のメンツで、態度を変えた。イチロー氏も逃げられないだろう。侍ジャパンの強化委員会は時間を掛け、説得していく。WBCと五輪、日本は両方の連覇を目指す。
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