相撲のぼり (C)週刊実話Web 
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相撲協会が新弟子検査の基準を撤廃!? 相撲部屋の人手不足も解消か…

目下、九州に向かって南下する秋巡業がたけなわだが、日本相撲協会は9月末に理事会を開き、力士志望者に対して新弟子検査の身長、体重の基準を撤廃した。これまでの基準だった身長167センチ、体重67キロ以上に満たない志望者でも、第2検査の体力検査で運動能力が十分と認められれば、入門できることを決めたのだ。


力士といえば、人並み外れて体がデカいというイメージが強い。単に「相撲」ではなく、「大相撲」という名称も、この体のデカさからきている。ところが、これからはどんなに背が低く、またガリガリに痩せていても、人並み以上に動ければ誰でも力士になれるようになったのだ。どうしてこんなことを決めたのか。


【関連】角界が大揺れ!? 行司の最高位“木村庄之助”復活人事の裏でクーデター ほか「力士のなり手が少なくなったからですよ。若貴ブーム真っ盛りの1994年夏場所には力士が943人もいました。ところが、先場所は620人。少子化などの影響もあって、この30年で3分の2に減ってしまったんです。600人割れも時間の問題。このままでは大相撲界が衰微し立ち行かなくなるため、苦渋の選択をしたのです」(大相撲担当記者)

十両でも兄弟子の付け人に

すでに、力士数減少の影響はあちこちに出ている。その代表的なものが相撲部屋の小部屋化だ。現在、相撲部屋は44ある。力士数に対して「多すぎる」という声があるように、所属する弟子数は減る一方だ。

最も少ないのは錦戸部屋で、十両の水戸龍と序ノ口、番付外の新弟子の3人だけ。あまりにも力が違いすぎ、水戸龍は部屋での稽古もままならない。


大相撲界の鉄人で幕内最高齢38歳の玉鷲が所属する片男波部屋も力士数は全部で4人。このため、付け人が足りず、十両の玉正鳳はいまだに兄弟子の玉鷲の付け人を務めているほどだ。


「とりわけ、幕下以下の力士不足はどの部屋も深刻です。相撲部屋は、ちゃんこ番から電話番に至るまで、この幕下以下の力士で成り立っているようなもの。しかも、無給ですからね。体格検査の撤廃は『給料なしで働いてくれる、使い勝手のいい従業員募集』と同じですよ」(協会関係者)


新弟子は急増するのか。