2月13日午後11時8分ごろ、福島県沖を震源とするM(マグニチュード)7.3、最大震度6強の大地震が発生した。10年前に起きた東日本大震災の余震とされるが、日本と同じように、たびたび起こる大きな地震に警戒を怠らないのが、日本列島の南西に位置する台湾だ。
「台湾は日本と同じ地震国です。M6クラスがよく発生している。地震の規模の割に被害が少ないのは、東部の海の中で発生することが多いからです。しかし、1999年に起こった『921大地震』は、台湾中部を震源とするM7.3でした」(武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏)
921地震は日本でいう震度7を記録したほど。死者2415人を出し、台湾では20世紀で一番大きな地震とされる。
「台湾の地震を振り返ると、その前後に日本でも大地震が発生しているんです。現在、フィリピン海プレートが活性化しているので、日本への影響が心配ですね。台湾の地震は日本のタイプと全く同じ。言ってみれば、兄弟分のようなものです」(島村氏)
日本で発生する大地震は台湾の〝後か先か〟と言われれば、圧倒的に後が多いそうだ。両者の関係は地震学では証明されていないが、何らかの関連性があるに違いない。
では、最近の日本と台湾における地震を具体的に見てみよう。
まず、1994年9月に台湾海峡(M6.8)で発生した地震の4カ月後には阪神・淡路大震災(1995年1月17日)が起きている。5年前の2016年2月に起きた台湾南部地震(M6.6)では、2カ月後に熊本地震(2016年4月14日)が急襲。さらに、2018年2月に花蓮地震(M6.4)の際は、4カ月後に大阪府北部地震(2018年6月18日)など、台湾と日本の地震は少なからず連鎖しているのである。
台湾と“同日”に大地震が発生しても不思議ではない
こうして比較すると、昨年末から台湾で頻発する地震が非常に気になる。昨年12月10日午後9時台から11日午前2時台にかけて、台湾東部の海域を震源とする地震が相次いだ。いずれも、10日午後9時19分ごろに同海域で発生したM6.7の地震(最大震度4、震源の深さ77キロメートル)の余震とみられている。地震の規模の割に揺れが小さかったのは、震源が深かったためだ。
そして2月7日、台湾東部の海域でM6.1、震源の深さ112キロメートル、9日には同付近を震源とするM4.5、M5.5の地震が立て続けに起きているのだから不気味だ。
「フィリピン海プレート西縁には琉球海溝が南西諸島の東方に分布し、台湾にまで延びている。そして、琉球海溝の北東端は南海トラフにつながっているのです。こうした海域での異変は、南海トラフ地震につながる恐れがあり、非常に心配ですね」(島村氏)
実は、1966年3月13日、台湾花蓮沖でM7.5の大地震が発生すると、同日、沖縄・与那国島近海でもM7.3の地震があり、死者2人を出ているのだ。考えてみれば、台湾と与那国島は琉球海溝でつながっているのだから、同日に大地震が発生しても不思議ではない。
直近の南海トラフ地震を見ても、台湾地震とリンクしていることが分かる。
1946年12月5日、台南新化地震(M6.1)が発生すると、16日後の同年12月21日、昭和南海地震(M8.0)が起こり、死者・行方不明者1300人以上を出す大惨事となった。ちなみに、台南新化地震の2年前には昭和東南海地震(M7.9)が起きている。
南海トラフ地震が発生する確率は日に日に高くなっているが、首都圏でも異変は起きており警戒が必要だ。
「昨年12月の伊豆大島近海で起こった震度5弱地震の影響で、プレートのバランスが崩れてきていると考えられます。結果、これを引き金とした大地震が、首都圏で起きる可能性があるんです。昨年来、南関東の幅広い地域で異臭騒ぎがあった。異臭周辺に住んでいる身としては他人事ではありません」(横浜市金沢区在住の60代フリーライター)
メガ地震は何が引き金になるのか予想できない
防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
「地震活動期の今、何がトリガー(引き金)になるか分からない。暮れに発生した伊豆大島近海の大地震が、破滅をもたらすきっかけになる可能性も十分あります。その後ろに控えているのが首都直下地震、南海トラフ巨大地震、関東地震…。何がきても不思議ではないですから、巨大地震が発生したら、首都圏が今のコロナ騒ぎ以上の大混乱に陥ることは必至です」
昨年、日本で発生した震度5弱以上の地震は計7回で平年より少なかった。しかし、『天災は忘れたころにやってくる』の格言があるように、静穏期が続いた際は、往々にして巨大地震が発生するものである。
茨城、栃木方面では相変わらず震度4程度の地震が頻繁に起こっている。2月2日、栃木県北部でM4.0、最大震度4を観測する地震があったばかり。震源の深さは約10キロメートルだった。
北関東で発生する地震には、主に茨城県北部を中心に起きている地震のように震源の深さが約10キロメートルと浅い地点で発生するタイプと、茨城県南部などで発生する震源が60キロメートル前後の深い地点で起きる2つのパターンがある。
「茨城南部で発生する地震は首都直下地震を引き起こしやすい。こうした地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートが衝突する地点で発生しており、首都直下地震の場所ともつながっているのです」(サイエンスライター)
先の渡辺氏が言うように、メガ地震は何が引き金になるのか予想することは不可能だ。
「ひたひたと迫りつつある巨大地震は新型コロナの惨禍をはるかに凌ぐダメージを日本に与えるでしょう。言うまでもないことですが、備蓄は進めておいた方がいい。地震が起こってから大騒ぎしても遅いのです」(前出・渡辺氏)
台湾地震は対岸の火事ではない。
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