(画像)ITO_IKI/Shutterstock
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“秋の味覚”に異変が!? サンマとマツタケ収穫できぬ…産地に猛暑の影響

食欲の秋。代表的な味覚といえば、サンマとマツタケだ。しかし、今年のサンマは小ぶり、マツタケも猛暑の影響で国産ものの出荷が遅れているという。


『全国さんま棒受網漁業協同組合』によると、国内のサンマ水揚げ量はかつて20万~30万トンで推移していたが、昨年は1万7910トンにまで落ち込み、4年連続過去最低を更新した。


【関連】サンマの“高級魚化”が止まらない!漁獲量過去最低を記録…食卓から消える ほか「今年のサンマ漁は8月中旬に北海道で初水揚げされた段階で、昨年と同じく大不漁が予想されたが、その後、豊漁が続いている。しかし、水揚げされたサンマの大半は1匹100グラム以下で、脂が乗っていない小物ばかり。首都圏のスーパーでは1匹200円前後で販売されているが、10年前は丸々と太って脂が乗ったサンマが1尾100円だった。これでは豊漁とまでは言えませんよ。公海での中国船とのサンマ争奪戦に負けているからです」(漁業ライター)

猛暑続きでまだ出回らないマツタケ

以前は秋に日本近海を南下していたサンマが、近年は海流や海水温の変化などで沿岸に近寄らなくなったため、公海でのサンマ漁に頼るしかないのが実情だ。

「漁場は日本の排他的経済地域の外にある公海。そこには日本がサンマ漁を始める前から中国、台湾の漁船が繰り出していた。特に中国漁船は3000トン級の大型母船で、サンマの大小構わず捕獲していきます。だから日本は小ぶりのサンマが多くなるんです」(同)


一方、〝秋の味覚の王様〟と呼ばれるマツタケ。こちらは、猛暑の影響で産地の一つである長野県でもいまだ出回っていない状況だ。


「長野県では以前は9月上旬から収穫できていた。卸値は通常100グラム、5000~6000円。今が稼ぎ時なんですが、今年は10月に入っても出回ってこない。マツタケは8月の雨で菌が繁殖、9月の雨で成長するんですが、今年は8月、9月にまとまった雨が降らなかった。それどころか猛暑続きで地面が熱くなったため、マツタケが出回るのはもう少し時間がかかりそうです」(豊洲市場青果業者)


秋の味覚にも異変が起きていた。