(画像)Shag 7799 / Shutterstock.com
(画像)Shag 7799 / Shutterstock.com

中国・習政権が崩壊寸前!? “謀反”許さず閣僚解任…台湾侵攻を強硬する可能性も

中国の習近平政権に「重大危機」が訪れているとの観測が、浮上している。不動産バブルの崩壊や消費の低迷などで国内経済は崩壊寸前。外交でも中国の孤立化が進み国内にも不満がくすぶっているが、そのさなかに主要閣僚が相次いで表舞台から姿を消すなどの〝異変〟が起きているからだ。


習政権では、7月下旬に秦剛外相が就任からわずか半年で解任された。原因は香港の美人キャスターと不倫関係にあり、米国で代理母を通じて婚外子を授かったことが問題視されたとの見方が広がっている。


【関連】中国に隠れ債務1900兆円!? 不動産バブル崩壊で習近平政権に衝撃の事態 ほか

「不倫相手の女性キャスターはアメリカと中国両方の情報当局者と通じているとのウワサもあり、秦剛氏が解任されたといわれている。ただ、習主席が外相に指名した秦剛氏は政権の命に従い、利害が反する諸外国を口汚くののしる『戦狼外交』を担ってきた経緯もあり、解任劇にはいまだ謎が多いのです」(大手紙外信デスク)


同じく国内では8月29日に北京での行事に出席して以降、李尚福国防相が行方不明になっているという。中国当局の捜査対象になり解任されたとみられるが、「外交」と「軍事」という政権の柱を担う閣僚が相次いで姿を消したため、内部で一体何が起きているのか、取り沙汰されているのである。


「政府や党内に規律の緩みや汚職が広がっていることが考えられる。何よりも深刻なのは、こうしたスキャンダルが次々と発覚し、その情報までが漏れていること。習主席が共産党や政府を統制できていないことは明らかで、党幹部や人民解放軍などにも反対勢力がかなりの数存在する可能性が高いのです」(政治部記者)


2013年に国家主席に就任して以来、中国の歴史では前例のない3期目に突入した習主席。その体制は今まで盤石とみられてきたが、ここにきて生じ始めた綻びは、主要閣僚の解任劇以外にも危うい広がりを見せているようだ。

稼ぎ頭なはずのEV(電気自動車)も売れ残り…

不動産バブルの崩壊で経済が深刻な事態に陥った中国では、不動産大手『中国恒大集団』が米連邦破産法を申請して世間を驚かせたが、当局が創業者の会長を拘束。経営が危ない不動産会社は今では規模の大小を問わず、国内にひしめいている。

また、稼ぎ頭のEV(電気自動車)も、国内自動車メーカーに補助金を出して国家ぐるみで欧米への輸出を拡大してきたが、今夏、EU(欧州連合)から締め出しを食らい始め、販売台数に急ブレーキがかかっている。国内での安値販売は現在も続いているものの、売れ残ったEVは広大な土地に放置され「EVの墓場」と呼ばれているほどなのだ。


中国経済に詳しいアナリストが言う。


「今の中国は、地方政府だけで1900兆円もの債務を抱えているとみられている。習政権は不良債権の隠蔽や問題企業への追加融資、減税などの消費支援策を行っているようだが、効果は限定的だ。今後は大恐慌に突入することも視野に入れておく必要があるのです」


さらに中国の斜陽ぶりは国内だけにとどまらず、外交の失敗も目立ってきている。中国政府は福島第一原発の処理水海洋放出を「核汚染水」と呼んで強硬に反対し、日本への攻撃材料にしようとしたが、IAEA(国際原子力機関)をはじめ大半の国が海洋放出に理解を示し、耳を貸さなかった。味方したのは北朝鮮とロシアをはじめとする中国の影響力が強いごくわずかな国々だけだ。


そうした経緯があったためか、習主席は9月に行われたG20首脳会議や国連総会を相次いで欠席。西側諸国と距離を置く一方、ロシアのプーチン大統領に接近している。今後は「一帯一路」関連の国際会議にプーチン大統領を招き、首脳会談を行う見通しだという。


「ただ、その裏では11月にアメリカ・サンフランシスコで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席し、バイデン大統領と首脳会談に臨む動きも見せている。内憂外患の状況を打破することが狙いだが、24年に大統領選を控えたアメリカは、民主党、共和党共に有権者の支持を得るため、中国に対して強硬姿勢を強めるはず。首脳会談が開かれても、中国側が望む経済制裁の解除や支援を得ることは、極めて難しいとみられています」(前出・外信デスク)

台湾は中国の一部

もっとも、恐ろしいのはこうした失策続きの政治の反動から、習政権が台湾侵攻などの強硬策に出る可能性が高まりつつあることだ。

中国は以前から「九段線」と呼ばれる独自の境界線を設定し、南シナ海の広大な領土・領海の領有権を主張してきたが、実は8月末に「新しい地図」を公表。「十段線」と称する新しい境界線が描かれた地図では、台湾はもちろん、南シナ海のほぼ全域にまで領有権が拡大しているのである。


同地図が公表された意図を、別の政治部デスクがこう推測する。


「習主席は台湾を『中国の一部』と公言し、アメリカも27年までに侵攻が行われるとみているが、この地図は失策続きの政治から人民の目をそらすために公表された可能性が高い。だが、間違えてならないのは、それがガス抜きレベルではないということ。台湾侵攻に少しでもポーズや弱腰姿勢を見せれば、習主席はクーデターで追い落とされる可能性もある。そのため、同地図は追い詰められた習主席を、早々に台湾侵攻に駆り立てる力をも秘めているのです」


捨て鉢の習政権が、突如として軍事侵攻に転じる可能性は、決して低いとは言えないのである。