(画像)Vera Verano Photo/Shutterstock
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動物番組「消滅」の危機!? コンプライアンス重視で番組制作が困難に

コンプライアンス遵守が徹底される中、各テレビ局で徐々に姿を消し始めているのが「動物」を扱った番組だという。


現在は、『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)、『I LOVE みんなのどうぶつ園』(日本テレビ系)などが放送中だが、視聴率も伸び悩み、打ち切りのウワサが出始めている番組もある。


「動物番組は、新規企画としては通りづらくなっています。サンドウィッチマンをMCとして昨年4月からレギュラー化された『サンドウィッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦 ZOO-1グランプリ』(TBS系列)も、たった1年足らずで打ち切りになりましたからね。最近では動物を使った無茶な企画ができないので、どの番組も同じような作りになってしまっているのです」(テレビ番組制作会社のスタッフ)


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現在ディレクターを務めるAさんは、過去にADとして動物番組の制作に関わったことがあるという。そのときには、プロデューサーや先輩ディレクターからヤラセを強制されていたと嘆く。


「ブラックバスなど外来種が問題になっていたときには、こっそりと他で捕獲した生物を撮影する場所に放っていましたからね。ペットショップでいろいろな動物を買って、撮影用に捕獲しやすくしたこともあります。多かれ少なかれ、動物番組は何かしらの演出で動物を無理やり使っているケースが多いんです」

“動物ファースト”の精神

オードリーの春日俊彰が、『スッキリ』(日本テレビ系)の生中継で、わざとペンギンの池に落ちてロケ先だった那須どうぶつ王国が激怒。大炎上したことも記憶に新しい。

「これまでは、テレビ局の制作陣が撮れ高優先で動物虐待ではないかと思われるようなことも平気でしてきました。熱に弱い動物をロケのスケジュールに合わせて炎天下で待たせたり、凶暴化させるためにペットショップにお願いして出演する動物に餌を与えないようにしてもらったり…。一般の番組でも動物の取り扱いはかなり神経を使っていますが、私が関わっている番組でも改めて動物の取り扱いには注意するようにお達しがきましたよ」(Aさん)


SNSや動画サイトの普及も、動物番組がやりにくくなった一因だという。


「爬虫類などを取り扱う動物園で有名な白輪剛史氏が、協力NGをした番組の内情をツイッターで暴露して話題になっています。白輪氏の告発内容はテレビマンとして言語道断ですが、ちょっとしたことでも動物虐待だと言われ、SNSなどで炎上してしまうので、局側もビビっているんです」(Aさん)


かつて大人気だった『ムツゴロウのゆかいな動物王国』のムツゴロウさんも亡くなり、動物番組は消えゆく運命かと思えば、現状を逆手にとった番組も始まった。


「テレビ東京さんの『ヤギと大悟』ですよ。ヤギのポポを主役にして、千鳥の大吾さんはあくまで脇役。ポポが疲れたら終了という〝動物ファースト〟な番組作りで、ギャラクシー賞とATP最優秀賞も受賞していますからね。動物ファーストでも、おもしろおかしく番組が成立しているのは見事。生前の志村けんさんが別の番組でやっていた動物とのカラミを大吾さんが受け継いでいる感じもいい。テレビマンの間でも絶賛されています」(Aさん)


動物番組存続のキーワードは「動物ファースト」と言えそうだ。