松井秀喜 (C)週刊実話Web 
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松井秀喜が『ハヤテ223』二軍球団に参加!? 選手獲得にも一役買うか…

「平成の球界再編」は、楽天、ソフトバンクのIT企業が主役を務めたが、「令和の再編」はベンチャーキャピタル。静岡を拠点に二軍参加が決まった『ハヤテ223』だ。透けて見えるのが、巨人も含めた球団の株式上場計画。ゴジラ松井が助っ人参戦――。


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プロ野球12球団は9月29日、都内でオーナー会議を開き、2024年から二軍ウエスタン・リーグ(西日本)に静岡の『ハヤテ223(ふじさん)』、イースタン・リーグ(東日本)に『新潟アルビレックスBC』の参加を条件付きで承認した。


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「ハヤテ223」を運営する「ハヤテインベストメント」(本社・東京、杉原行洋代表、以下ハヤテ)は、資本金1.45億円。非上場企業のため、売上は不明。主たる業務は未上場の新興企業に出資して株式を取得し、その企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却して収益を目指す投資事業だ。


「要は新たな二軍球団設立に投資し、一軍参加に合わせて株式を上場して巨利を得るハゲタカビジネス。NPBは今回のファーム増設は一軍のエクスパンション(球団拡張)とは無関係と否定するが、ハヤテは巨人の支援の下で一軍参加を目論んでいる。プロ野球が成功すれば、サッカー、バスケットボールが続く。多くの投機筋が注目している」(投資家グループの若手起業家)


ハヤテはGMに静岡市出身で横浜(現DeNA)監督などを務めた山下大輔氏、監督に藤枝市出身で元近鉄バファローズ投手の赤堀元之氏を起用する方針。スタッフ編成は順調だが、問題は40〜50人の選手獲得だ。


NPBは12球団の育成選手5人程度を新チームに派遣するが、ドラフトに参加できない上、既存の野球チームを持たない静岡にとって選手集めは大きな壁。他球団の戦力外やドラフトの指名漏れ、外国人選手をかき集めて対処はできても、既存球団に肩を並べるレベルの編成は容易ではない。

ヤンキースの株主の一人でもある

課題はまだある。今回は二軍限定参加のため、預かり補償金25億円、野球振興協力金4億円は免除されるが、監督、コーチ、選手、スタッフの給与のほかキャンプ、移動費用などで年間数十億円かかる。過去には山陽電気鉄道がウエスタン・リーグの前身、関西ファーム・リーグに参加したものの、経営難から1シーズンで解散した経緯もあり、不安の声が渦巻いている。

しかしハヤテにとって、資金調達はお手のもの。すでに球団運営のファンドを組む準備を進めており、元手は潤沢だという。


最大のスポンサーとウワサされるのが南壮一郎氏だ。管理職に特化した人材サービス転職サイト「ビズリーチ」創業者で、ビジョナル株式会社代表取締役社長。個人資産だけで2000億円といわれる47歳の実業家だ。


幼少期をカナダ・トロントで過ごし、浜松北高(静岡県)から米・マサチューセッツ州のタフツ大学に。卒業後はモルガン・スタンレー証券東京支社に入社。三木谷浩史楽天会長とも親しく、04年の球界再編時には、楽天球団の創業メンバーに名を連ねている。


見逃せないのは、南氏がMLBヤンキースの株主の1人ということ。昨年4月に米フロリダ州にオーナーのスタインブレナー家を訪ね、直接交渉でヤ軍の球団株式の一部を取得した。巨人OBでヤ軍GM特別アドバイザーの松井秀喜氏とも緊密な関係にある。


「ハヤテ223の主軸は、このルートでヤ軍から有望な若手を調達するのではないか。静岡とヤ軍のファームシャトルが進めば日本人選手リクルートの相乗効果が期待できる」(スポーツ紙記者)


巨人がハヤテに肩入れするのは、本拠地の「築地移転問題」が背景にある。1988年に開場した東京ドームは、三井不動産傘下の株式会社東京ドームの持ち物。年間使用料が25〜30億円に上るが、老朽化が進み、巨人は自前球場を模索してきた。行き着いた有力候補地が、銀座に近い築地市場の跡地だ。

こけら落としに…

この場所は17年に小池百合子都知事が「食のテーマパーク」にする構想を掲げたが、現在は三井不動産を主体に大成建設、読売新聞社などが約9000億円を投じてホテルやオフィス、住居などを整備する計画を進めている。

「築地開発のシンボルとなる多目的スタジアムは、読売新聞グループが自前で建てる方針です。ただ、東京ドームの建築費は約350億円で済んだが、天然芝を採用し、開閉式の全天候型球場『築地ジャイアンツ・スタジアム』建設には1000億円かかる。その費用を読売グループ傘下の『株式会社読売巨人』の株式上場で調達しようと…。そして、こけら落としに松井秀喜監督を迎える。その前段階としてハヤテに球団株上場の岩盤突破を期待しているのです」(スポーツ紙デスク)


球団株上場には三木谷浩史(楽天)、南場智子(DeNA)、松田元(広島)の各オーナーも賛成しているといわれ、阪神も阪急・阪神HDの株主総会で「タイガース株上場」の株主提案があった。巨人が加われば、もはや夢物語ではない。


合わせて巨人のハヤテ223への支援は、自軍ファーム強化の狙いもある。今回、静岡と共にファーム・リーグに参加する新潟アルビレックスBCは、ヤクルトの影響力が色濃いからだ。


現監督は、ヤクルトOBの橋上秀樹氏。過去には現ヤクルトの高津臣吾監督が指揮を執り、12年に独立リーグ日本一を果たしている。野球協約で「1球団1ファーム」の規則があるが、ヤクルトは独立リーグ球団との緩やかな連携でファームを実質複数所有。21年、22年の連続リーグ優勝につなげた。


巨人も対抗上、支配下登録(70人)から外れている育成選手をハヤテ223に貸し出し、二軍リーグで実戦経験を積ませようとしているのだ。


巨人・原辰徳監督の進退問題は最終局面を迎えているが築地ジャイアンツ・スタジアム建設計画とともに松井監督招聘が再浮上。巨人の全日程が終了した今週はゴジラから目が離せない。