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JRA重賞『スプリンターズステークス』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web 

♪神戸、泣いてどうなるのか~と、往年の内山田洋とクールファイブの名曲『そして、神戸』を心で歌いつつ予想した先週の神戸新聞杯であったが、2着の池添サヴォーナをまったく無印にしては、当たるものも当たらないねえ。さらに付け加えれば、この馬は、当コラムでウワサの〝10番人気〟ときたもんだ。なら買っとけよな、であった。

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少し振り返れば函館2歳ステークス1着の浜中ゼルトザーム、エルムステークス3着の浜中ロッシュローブ、新潟2歳ステークス2着の石橋ショウナンマヌエラ、新潟記念3着の菅原明インプレス、…この夏に限っても、これだけの10番人気が馬券対象になって、また今回もかよ、であった。愚直に買ってりゃ高配当か~、後の祭りだよな、と、♪泣いてどうなるのか~。ちなみに今週海外遠征するスルーセブンシーズも、今年の宝塚記念で2着したのも10番人気での快走であった。

神戸新聞杯の反省に戻ろう。せっかく1着が川田サトノグランツなのになあ。3着の武豊ファントムシーフも買ってたし。わが本命馬たる松山ハーツコンチェルト(5着)も絶対軸とは? と弱気にボックス予想したのも途中までは正解だったが、2着が買ってない…(競馬では)♪よくある話じゃあないか~と、日吉ミミの『男と女のお話』(知ってる?)を歌っちゃうぞ(笑)。

それにしても、9月に入って1番人気の受難が続く。先週のオールカマーだって、断然人気の横山和タイトルホルダーが2着に敗れたし…今週の1番人気は大丈夫か? そのタイトルホルダーを負かしたのが、ルメール大将の4番人気ローシャムパーク。日曜日は川田と東西で仲良く重賞勝利を分け合ったが、両者の熾烈なリーディング争いは、川田が日曜日に6勝の固め打ちでトップに返り咲いた。今週は、ルメール大将が海外遠征で不在。鬼の居ぬ間に川田が引き離すはずだが、果たしてどれくらい差を広げるのか、楽しみだ。

“映画連想馬券”の本命はママコチャ

で、今週は秋のGⅠ戦線第1弾のスプリンターステークスだけに力が入る。ここで〝問題〟の1番人気は、おそらく浜中ナムラクレアだろう。今春の高松宮記念2着など、あと少しで届くGⅠの勲章を今度こそ、だろう。その高松宮記念馬ファストフォースも、昨年のスプリンターステークス馬ジャンダルムもすでに引退してるし、ここは悲願達成の千載一遇のチャンスだろう。群雄割拠だけに相手はいろいろ。GⅢ連覇の勢いでここも突破か、の団野ジャスパークローネ。昨年2着で同じく松山が乗るウインマーベル。すっかり軌道に乗った感があるし、スプリント戦も前走2着で適性を感じたし、何より今回は鞍上に川田を迎えてのママコチャ。単騎逃げがハマれば面白いし、馬と好相性の武豊に手が戻るのも心強いモズメイメイ。

一応ナムラが本命ではあるが、GⅠ未勝利馬の1番人気はさほど奮わないし、浜中騎手自体がこのレースとの相性悪し、というデータも加味して、ここはボックスで行く。「GⅠなのに弱気だね」と言う勿れ。現実路線です。ただ、ナムラからは池添メイケイエール、戸崎ピクシーナイト、横山武キミワクイーンへ少々流す。一方、アイビスサマーダッシュで万馬券のお世話になった石川オールアットワンスは、千直の馬だと思うし、前走超人気薄でアッと言わせた富田テイエムスパーダは、今度はある程度人気が出そうで、妙味ナシ。

さて、こちらも恒例の〝映画連想馬券〟だが、ママコチャから『シリアル・ママ』(94年)を選んでみた。シリアル食品好きのママの話ではなく、シリアル・キラー(連続殺人者)のママを描くブラックユーモア作で、『白いドレスの女』(81年)などのキャスリーン・ターナーのキレまくりの〝怪演〟が見もの。

ホラー映画好きの息子に忠告した高校の担任教師を轢き殺したり、娘をふった男を火かき棒で撲殺したり、気に食わない人物を次々と殺し、逮捕されるが、皮肉にも裁判ではなぜか全米の人気者になってしまう…という人を食った展開となる。監督・脚本はカルト・ムービーの帝王ジョン・ウォーターズが務め、彼らしくクセの強い〝怪作〟となった。

馬券は、ナムラクレア軸と言いたいところだが、先週と同じく弱気にボックスで①⑤⑥⑬⑯馬連&3連複。①から③⑧⑮へ馬連、①⑤縛り、①⑥縛りで③⑧⑮へ3連複。秋のGⅠ戦線のアタマだけに、ぜひ的中したい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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