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DeNA退団で“バウワー争奪”!? 巨人とソフトバンクで白熱する札束合戦

横浜スタジアム
横浜スタジアム (C)週刊実話Web 

残すはクライマックス・シリーズ進出争いに絞られたプロ野球。今季も阪神・岡田彰布監督の「アレ」やオリックスの3連覇、何よりWBCでの侍ジャパンの優勝など見所満載だったが、この男の快投も印象的だった。〝札束合戦〟で2023年は締めくくりか?

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セ・パの優勝が決まる中、DeNAベイスターズ所属の「ユーチューバー」トレバー・バウアー投手(32)をめぐり、争奪戦が本格化している。巨人が球界歴代最高の単年15億円を用意すれば、ソフトバンクは総額30億円の〝札束合戦〟。V逸の金満2強が「裏日本シリーズ」――。

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競馬界では競走馬のセリ市場「セレクトセール」が活況だが、実は野球界でもNPB所属の外国人選手獲得の〝セリ〟が水面下で行われている。契約満了を見据えた助っ人の青田刈りである。

今年の〝看板馬〟は、MLBナ・リーグのサイ・ヤング賞を獲得し、今季はDeNAで活躍したバウアーだ。今季19試合に登板し、10勝4敗。防御率2.76。中4日の登板も厭わず、1人で貯金6を積み上げた。

今季の年俸は基本給300万ドル(約4億4400万円)プラス出来高100万ドル(約1億4800万円)。これはDeNAの支払い分で、23年シーズンに限っては3年契約を2年で解除したドジャースから2250万ドル(約33億円)が振り込まれている。

総年俸39億円。今季の大谷翔平(エンゼルス、約36億円)を上回る金額だ。

しかし、クライマックス・シリーズ(CS)進出争いが佳境に入った8月30日の阪神戦で右腹部を痛め、戦列を離脱。復帰のめどは立っていない。

「三浦大輔監督(49)は本人と復帰の時期を話し合っているが、ラチが明かない。原因は来季の契約。ずばりカネです」(球団関係者)

日本に新天地を求め…

来季は三浦ベイスターズの4年目。当然、契約延長を願っているが、親会社の財布の紐は固い。最大でも2億円増の総額8億円程度で更新を目指している模様だが、バウアーの代理人で赤髪のレイチェル氏は「MLBの評価は33億円」と応じる考えはない。バウアー自身もYouTube制作に何人ものスタッフを抱えていることから、12億円が最低条件と譲らず、来季の交渉は暗礁に乗り上げている。

プロ野球の歴代最高年俸は田中将大の9億円(楽天、2021年)、2位が菅野智之の8億円(巨人、同)。ソフトバンクは今季、MLBの元救援王ロベルト・オスナを獲得したが、年俸は6億5000万円。バウアー陣営の要求は、日本の水準をはるかに超えている。

このタブーに切り込もうとしているのが、巨人だ。日本在住の代理人関係者の間では「ヨミウリが1年15億円でバウアーと合意」との情報が流れている。「CSの残り1席を巨人とDeNAが激しく争っていることを思えば、バウアーがあっさり戦列を離れたのは巨人と〝握ったから〟ではないか」との疑念とともに…。

「いずれにせよ、財源は坂本勇人(6億円)、丸佳浩(4.5億円)、菅野智之(5億円)らの来季年俸でしょう。坂本と丸は今季限りで複数年契約が満了するし、菅野は故障で出遅れ。いずれも減俸は免れません。その浮いた資金を、バウアーに注ぎ込む腹でしょう」(セ球団の編成担当)

そもそも、バウアーが日本球界に来たのは、特殊な事情があったからだ。ドジャース時代の21年に女性へのドメスティックバイオレンス(DV)が発覚。MLBから324試合の出場停止処分(のちに194試合に軽減)を受け、22年に契約解除に。日本に新天地を求めた。

「このトラブルは、女性が告訴を取り下げて22年2月に不起訴となったが、民事訴訟は続いています。結審にはあと1年程度かかり、MLBには戻りづらいでしょう。そこで、もう1年トランジットする戦略です」(スポーツ紙記者)

これらの状況を総合的に考えると、来季は巨人移籍か…。

ソフトバンクも彼にとっては魅力的

ところが、3年連続でパ・リーグ優勝を逃したソフトバンクがバウアー獲得に緊急参戦したことで新たな局面を迎えている。福岡のテレビ局幹部が話す。

「ソフトバンクは今季も補強に81億円を費やしたが、2位争いに汲々としている。そこで孫正義オーナー(66)が中途半端な補強はせず、MLB価格でバウアーを獲れと。この一言で、異次元の補強策が浮上した」

本誌が得た情報によれば、バウアーの来季年俸は総額15億円。しかし、同額のオプションを付ける。成績に応じた出来高払いではなく、バウアーの個人会社を支援するファンド投資のスタイルという。

ソフトバンクグループは、9月、傘下の英半導体設計大手アームを米証券取引所ナスダックに新規上場し、51億2300万ドル(約7600億円)を受領した。今後も人工知能(AI)関連の開発会社に投資を続ける予定で、名門カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で機械工学を専攻したバウアーがこれに関心を寄せているという。

「彼が経営するYouTube制作会社『モメンタム』のAI関連事業に投資を期待しているのでしょう。ストックオプション(自社株を一定の行使価格で購入できる権利)が付けば、上場となった際、バウアーは100億円超の利益が可能となる」(投資コンサルタント)

バウアーは自身のYouTubeチャンネルを通じてさまざまなオリジナル商品の販売を手掛けており、ヤフーとスマートフォン決済PayPay、LINEを傘下に置くソフトバンクは大きな魅力。赤髪の女性弁護士レイチェル氏も一押しなのだという。

「彼女の弁護士(代理人)事務所は、米ワシントン州にあり、いずれはバウアーのシアトル・マリナーズ移籍を狙っている。しかし、訴訟の関係から来季は日本でプレーせざるを得ない。日本球団としても1年限定だから、高額契約が可能なのでしょうが…」(MLB取材記者)

裏の日本シリーズは、ソフトバンクの圧勝。巨人は来季も優勝が難しいのか。

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