(画像)Conor P. Fitzgerald / Shutterstock.com
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大谷翔平の“右肘手術”成功も…代理人の意味深発言が波紋呼ぶ

大谷とエンゼルスの間に亀裂が入ったようである。


パドレスのダルビッシュ有(37)が9月22日(現地時間)のカージナルス戦の試合前にマイクを向けられ、大谷翔平(29)にこうエールを送った。


「いろんな要因があってケガも増える。本人も一度(トミー・ジョン手術を)経験しているし、その経験が後に大きく生きてくると思う」


大谷が右肘靱帯を損傷したのは8月23日。9月4日に右脇腹も痛め、16日には負傷者リスト入りとなり、そのまま「今季終了」となった。


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「大谷は19日に手術を終えました。執刀医によれば、24年は打者出場が可能で、25年には投手復帰できるそうです」(現地記者)


手術は成功したが、ダルビッシュが言う「失敗も糧とする気持ち」にはなれないようだ。


米メディアが大谷とエンゼルスの間のミゾを感じたのは19日だった。そう、手術が行われた日である。


まず、午後4時半を過ぎたころ、エンゼルスのフィル・ネビン監督(52)が大谷の症状や治療内容などを質問された。


「彼が今、何をしているのか分からない。本拠地に戻ってきたら合流すると言っていたよ」


チームは敵地でのレイズ戦を目戦に控えていた。しかし、ネビン監督が「何も知らない」と言った約1時間後、アナハイムの球団事務所から各米メディアにリリースが送信された。


「差出人は広報部長のアダム・チョズコ氏。内容は、大谷が今日、手術を終えた。手術は成功したようである、と」(前出・現地記者)


試合後、ネビン監督は再び記者団に問われたが、第一声は、「本当か?」。もちろん手術日を知っていても、大谷と病院側に配慮して「知らない」と言うケースもある。しかし、同監督の様子からして、本当に知らなかった気配が濃厚だ。


「チョズコ広報部長も〝知らされた〟んです。大谷の代理人のネズ・バレロ氏から球団に『手術を終えた』の連絡が入って、慌てて掛け直したと広報部長が言っています。代理人に確認をし、病院や執刀医、手術内容などが分かったそうです」(米国在住ライター)

リハビリ期間の過ごし方が大事

エンゼルスは大谷が負傷者リスト入りした時点で、手術内容の選択などは「任せる」と伝えていたそうだ。

だとすれば、今回の手術は〝完全な単独行動〟とは言い切れないが、「球団が手術日も知らなかった」というのはおかしい。また、こんな情報も交錯していた。


「大谷の執刀医は、ドジャースのチームドクターですよ」(同)


その通りであるのだが、大谷を執刀したロサンゼルス市の『カーラン・ジョーブクリニック』のニール・エラトロッシュ医師は、NFLのラムズのチームドクターも兼務している。しかし、18年の大谷の1回目のトミー・ジョン手術も担当したように、要請があれば、メジャーリーグ全球団の選手の手術も請け負う。大怪我を負ったNFLやNBAのスター選手を第一線に復帰させてきた経歴もあって、米スポーツ医療界の〝ブラック・ジャック〟とも位置づけられている。


「トミー・ジョン手術を最初に行ったフランク・ジョーブ博士を師事し、同博士も認めた名医です。スポーツ選手の診療と手術で忙しく、今では一般診療は断っています。医療技術が素晴らしいだけでなく、患部にメスを入れた後、その状態をもう一度、自身の眼で確認してから再生に入るんです」(同)


天才外科医は、別のことでも話題になるそうだ。端正なルックスで、「オトコでも惚れそうになる」と。


そんな二枚目ドクターにメスを入れられた大谷だが、自身のSNSで「早くグラウンドに戻れるように…」とコメントしていたが、来季の打者復帰はそう簡単な話ではないようだ。


「人工靱帯を移植するハイブリッド手術が施されたようです。大事なのはリハビリ期間の過ごし方。右腕に負荷を掛けない期間が生じるので、オフの自主トレ、春季キャンプの練習は通常の半分もできないはず。来季の大谷はシーズンを通して調整となりそう」(現地記者)


また、代理人のバレロ氏も意味深なコメントを残している。9月4日、右ヒジの損傷具合を説明した際、米記者団は当然、去就問題についても質問しているのだ。エンゼルスとの契約は今季で満了する。代理人は「結論は出ていない」と答えていたが…。


「故障離脱という形のまま、エンゼルスを離れるかもしれない、そう言っているようにも聞こえました」(同)


やはり、エラトロッシュ医師の存在から目を離すことはできない。


「近年、ドジャースは故障から復帰を目指す過程にあったビューラーやファーガソンを獲得し、20年オフ、3カ月ほど前にトミー・ジョン手術を受けたケンリーとも契約しました。故障中の選手を新たに獲得するのはリスクが生じるので、どの球団も敬遠しがち。ドジャースは第一線で活躍している選手と同じように好条件を提示し、復帰を待つんです」(スポーツライター・飯山満氏)


故障者を獲得できるのは、天才外科医がチームドクターを務めているからか?


大谷サイドも移籍後の診断を見越して、エラトロッシュ医師の元を訪ねたのかもしれない。オフの争奪戦はハイブリッド手術とともに始まっていた。