東京・両国国技館で行われている大相撲秋場所も、いよいよ終盤戦。1人横綱の照ノ富士(31)が休場し、大混戦となっている優勝争いを制するのは誰か。連日、手に汗にぎる熱戦が続く中、土俵上の闘いと土俵外の息抜きを巧みに使い分け、活躍している2人の30代力士が話題になっている。
今場所、初土俵から103場所という史上3位のスロー出世で東小結に鎮座する錦木(33)と、先場所千秋楽、惜しくも豊昇龍(24)との優勝決定戦に敗れ、悔し涙をこぼした東前頭筆頭の北勝富士(31)だ。
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先場所、関脇以上を総ナメにし初の殊勲賞を受賞した錦木が土俵を降りたあとの楽しみは酒だ。それも「居酒屋で一杯やるのが大好き」という本格的な酒飲みで、先場所2日目、照ノ富士から金星を挙げて16本、手取りで48万円もの懸賞を獲得すると「ある程度の質があれば、あとは量ですから。安い芋焼酎をたくさん買います」と小躍りした。
オンとオフの切り替えのうまさ
今場所も初日に玉鷲を押し出して白星発進すると「1週間、治療(ふくらはぎ肉離れ)で禁酒していましたが、昨日から解禁しました。今日は飲むかって? 当たり前じゃないですか」と声を弾ませた。
また、今場所も初日から貴景勝、豊昇龍、霧島と3大関を3タテして大相撲ファンを熱狂させた北勝富士の活力源は、2歳5カ月になる長男の存在だ。土俵上では、最後の塩のときに体中をバチバチと激しく叩き、軍配が返ると頭から当たって容赦のない突き押しを見せる北勝富士。自宅に帰ると一転して優しいパパになる。
「朝のおむつ替えから始まって、風呂に入れたり、一緒に遊んだり、やることはいっぱい。自宅でストレッチしていると、上に乗っかってくるので、すぐパパになる。おかげでとてもリラックスできています」
このオンとオフの鮮やかな切り替えが2人の活躍の秘密なのだ。
「強い力士ほど、この切り替えがうまい。大鵬も、北の湖も、千代の富士も大酒飲みでしたし、45回優勝の白鵬は4児のよきパパでした」(大相撲担当記者)
息抜きは必要だ。
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