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秋場所“唯一の横綱”照ノ富士の休場に虎視眈々とその座を狙う大関陣

相撲のぼり
相撲のぼり (C)週刊実話Web

やはり、と言うべきか。9月10日から東京・両国国技館で実りの秋を先取りする大相撲秋場所が始まっているが、初日の2日前、1人横綱の照ノ富士(31)が、腰痛のために休場を表明した。これで先場所に続き、横綱13場所で7度目だ。

8月の夏巡業には参加したものの、ただの1番も相撲は取らず、9月2日の稽古総見でも大関・霧島(27)に、ぶつかり稽古で胸を出しただけだった。

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これではとても土俵に上がるのは無理。本人に代わって取材に応じた師匠の伊勢ケ濱親方(元横綱旭富士)は、

「腰がよくない。前からだけど、腰に電気が走ったり、しびれたりする。病院に行っても、相撲を取れる状態にならなかった」

とこぼし、

「治療には1カ月ぐらいかかる。それでも痛みが取れなければ、また次の段階という話はしている」

と明かして、手術もあり得ることを示唆した。そうなると、さらなる休場は必至。長期化する可能性もある。

「いまはまだ横綱審議委員会も静観していますが、これ以上、不在の場所が続けば、なんらかの動きを見せざるを得ないでしょう」(協会関係者)

霧島と豊昇龍に昇進を厳命

引退の外堀は埋まってきた。それを裏付けるような動きもある。夏真っ盛りの札幌巡業でのこと。5年ぶりに視察した八角理事長が、わざわざ大関2場所目の霧島と、新大関の豊昇龍(24)を呼び寄せ「(いまが)チャンスだから、この1年以内に横綱に上がるように」と昇進を厳命したのだ。

9月3日、都内のホテルで開かれた霧島の大関昇進披露宴でも八角理事長は「600人を超える力士たちのお手本になれ」ともう一度叱咤している。理事長自ら、自分の愛弟子でも一門でもない力士たちをこんなに熱く激励するのは余程のこと。それだけポスト照ノ富士に本腰を入れ始めた証拠だ。

「以来、2人の稽古に対する目の色が変わりました。霧島はオーバーワークを気にしながらも初日の3日前まで出稽古していたし、豊昇龍も一段と力強さが増している」(大相撲担当記者)

大相撲界は、主役交代の時機を迎えている。

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