価格を変えずに内容量を減らす〝ステルス値上げ〟と呼ばれる手法が日本中に広がっていることから、経済アナリストは「10月の再値上げの折、値段据え置きなどの文言には注意が必要」と警鐘を鳴らす。
ステルスとは〝隠密〟や〝こっそり行う〟ことを意味する言葉で、軍事面ではレーダーで捕捉できない戦闘機がステルス戦闘機と呼ばれている。これをビジネスに当てはめたのがステルス値上げだ。商品価格値上げによる収益低下を避けるため、販売側が値段を据え置き、消費者に分かりにくい部分で実質値上げを行うケースが該当する。
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「企業努力の一面もありますが、山崎製パンは1月出荷分から『薄皮シリーズ』を1袋5個から4個にした。1個当たり増量しているとの説明がついたが、価格は据え置きとしながら個数が減っているわけですから消費者は素直に喜べません。不二家のミルキーも3月から1箱7粒入りが6粒になった。お菓子以外にもハム、ソーセージなど〝規格変更・内容量変更〟の名目でステルス値上げしています」(生活ライター)
“大盛り”まで消えた!?
ステルス値上げは、ファミレスなどの外食産業にも浸透している。
「ファミリー中華レストランの餃子が以前より小さくなったり、回転寿司のネタの種類が減ったり…。イタリアンレストラン『サイゼリア』では、品質の安定が困難という理由でお得感のあるスパゲッティ各種大盛りが、昨年12月に終了しています」(同)
物価高騰のステルス値上げは〝100円ショップ〟でも起きている。500グラム110円で売られていた小麦粉が、8月に300グラム入りとなるケースも。
「今後も小麦価格が上がれば、100円ショップから小麦粉が消えるかもしれませんよ」(同)
ネット上では一連のステルス値上げのカラクリをバラす投稿も目立つ。
「正直に値上げを公表したほうが消費者に好感を持たれるはず。一方で消費者の給料が上がらない限り、ステルス値上げのような状況はなくならないでしょう」(前出・経済アナリスト)
何とも世知辛い世の中だ。
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