8月24日、北朝鮮が実施した2回目となる軍事偵察衛星の打ち上げは、前回の5月31日に続いて、またも失敗に終わった。
北朝鮮の朝鮮中央通信によると、ロケットの3段目にシステム障害が発生したことが失敗の原因。すぐさま当局は、10月に3回目の打ち上げを行うと発表したが、異常に打ち上げを急ぐのには理由がある。
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「軍事偵察衛星の打ち上げプロジェクトには金正恩総書記が肩入れしているため、なんとしても成功させて、その功績を強調することが焦点になっているのです」(北朝鮮ウオッチャー)
風速や風向きの関係で冬場の打ち上げは難しく、10月が衛星を軌道に乗せる今年最後のチャンスになるという。さらに、周辺50キロ以内に雨や雪が降ってはならない、周辺20キロ以内に落雷があってはならないなど、複数の気象条件を加味して打ち上げる必要がある。
「天候の問題に加え、衛星自体もまだ宇宙でどう作動するのかテストされていません。正恩氏への忖度が第一義で、北朝鮮の指導部がどこまで衛星の特性を知っているのか疑問ですから、10月も失敗する可能性は高いです」(軍事ライター)
ロシア製の部品が多数
5月に衛星を発射した際、韓国軍は黄海に落下したロケットの燃料タンクなどを回収したが、その中にはロシア製らしき部品が多く含まれていたという。
7月26日、北朝鮮を訪問していたロシアのショイグ国防相は、強純男国防相との会談で「北朝鮮は重要なパートナー」と称賛。その上で「この会談が両軍の協力関係の強化に貢献すると確信する」と表明した。
「朝ロの接近が懸念されています。ウクライナ戦争が長引く中で武器が不足しているロシアは、北朝鮮から弾薬やドローンを受け取り、その代わりに核弾頭の小型化、大気圏再突入など高度な兵器技術を提供することが考えられます」(前出・北朝鮮ウオッチャー)
韓国は一足先に軍事偵察衛星を打ち上げており、北朝鮮がショイグ氏に衛星の技術移転を泣きついた可能性は否めない。しかし、自国で何もできないようでは、北朝鮮の先は知れている。
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