JRA重賞『新潟記念』（GⅢ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

先週のキーンランドカップ、ゴール前はややもつれたが、勝ったのは1番人気に応えた牝馬の浜中ナムラクレア。やっぱりスプリント能力は一枚上で、大外から1馬身で差し切った。2着にも牝馬の松岡シナモンスティックという〝レズ馬券〟での決着だった。

3着が、文中で「牡馬だけど、今度は逆転の目もで、2番手に推挙する」とした鮫島駿トウシンマカオが何とか入って、3連複だけは的中することが出来てほっとひと安心。

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先週の文中で「〝夏は牝馬〟のイメージ通り、まず牝馬をチェック。（中略）抜擢したのは、前走の函館スプリントステークスの勝ちっぷりが良かった」と一番手に挙げた横山武キミワクイーンは無念の7着に終わった。なかなか理想どおりには行かないのが競馬の常、と分かっていても残念なり。まあ、ちょっとオイシイ6150円付けたのなら、3連複だけでもヨシとせねば！

さあ勢いに乗って、夏競馬の掉尾を飾る新潟記念で〝終わり良ければすべてヨシ〟としたい。ここは久々に、本命をたった5秒で即決した。その名はサリエラ！　何しろ、20年の有馬記念で11番人気2着（1着の1番人気クロノジェネシスとの馬連で1万330円！）など、何年か前に私に高配当を複数回プレゼントして下さった〝恩馬〟であるサラキア様の全妹なのだから、応援するのも当然と言えば当然ような気がする。

不安を探せば、このレースでは、440キロに満たない〝小柄〟な馬の好走例が少ないことぐらいか。この際、あと10キロチョイぐらい増えてしまえ（おいおい）。否！　そんなジンクスはブチ破るためにあるのだ。鞍上が、主戦ルメール大将が継続なのも心強い。

騎手と言えば、先週札幌で開催された2023ワールドオールスタージョッキーズは岩田望騎手が優勝したが、外国の女性騎手が2勝と〝夏は女性騎手〟なのかね。ルメール大将も参加したが、第4戦の2着が最高着順と奮わなかった。

ライバル川田はさらにイイとこナシで、このへんのことはもう忘れよう。ルメール大将は、土曜日の札幌2歳ステークスにもウールデュボヌール騎乗で出場する。土日連続重賞制覇も夢じゃない！　今週はルメール大将を追いかけてみようっと。先週は川田にさらに1勝離された。今週は共に新潟で騎乗とか。大将の反撃を大いに期待したい。〝夏は牝馬〟で、このレースにも何頭か出てはいるが、〝買い〟はこのサリエラ唯1頭！

“映画連想馬券”の本命はノッキングポイント

さて相手だが、牡馬を重視しよう。ヒモの筆頭はノッキングポイントか。先週の新潟2歳ステークスをアスコリピチェーノで勝って波に乗る北村宏が、2週続けて激走アリかね？　唯一の3歳馬であり、何と言ってもダービー5着が光る。

さらに、宝塚記念6着からの巻き返しを図る池添プラダリア。デムーロの古豪マイネルウィルトスも1年ぶりの前走・函館記念を4着とたたいてここに駒を進めてきた。7歳馬でも侮れない。この3頭は、サリエラ3着とかの保険で馬連も買っておこう（このあたりが私の小心者たるゆえん）。サリエラのヒモ穴には、新潟巧者の戸崎イクスプロージョン。同じく左回りなら、の菱田グランオフィシエ。昇級初戦でも木幡巧ファユエンも意識したい。

逆に、3年前Vの内田ブラヴァス、4年前の覇者で昨年2着の石橋ユーキャンスマイルあたりは、過去の再現は難しそうで無視する。三浦バラジは重賞ではもう少し慣れが必要と見た。〝夏は女性騎手〟なら重賞初挑戦の小林美駒イーサンパンサーに期待したい気もするが、さすがに〝家賃〟が高そうか。

さて、恒例の〝映画連想馬券〟だが、ノッキングポイントから『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』（97年）はどうか。ティル・シュヴァイガーが製作・脚本・出演のドイツ映画で、余命わずかな2人の男が、まだ見ぬ海を目指して旅立つが、盗んだ車にはギャングの大金が…という予想外の展開となるロード・ムービー。シュヴァイガーとヤン・ヨーゼフ・リーファースとのコンビも素敵なバディー・フィルム（相棒映画）としても秀逸で、終盤なんか、ちょっと〝泣ける〟。

馬券は①から②③⑤⑩⑬⑭へ馬連&3連複。あとタテ目注意の③⑬⑭の馬連&3連複も。ぜひ、夏競馬、有終の美を！

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。