監督／ウィリアム・ワイラー 出演／グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバート 配給／TCエンタテインメント 協力／テレビ朝日 提供／『ローマの休日4K』配給委員会

お仕事お疲れさまです。この夏は『ミッション：インポッシブル』『インディ・ジョーンズ』『キングダム』など、大作を見て楽しい時間を過ごしてますか？

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涼しげな風が吹く秋の到来はまだ少し先になりそうですが、この時期にふさわしい1本が公開されました。製作70周年を迎え、今もなみんなに愛される名作といえば、グレゴリー・ペックとオードリー・ヘプバーンの共演の『ローマの休日』。なんと4Kレストア版でスクリーンに復活しました。

元祖・デートムービーと言われる伝説の作品が、大きなスクリーンで見られるなんて、またとないチャンス。劇場で見た人は圧倒的に少ないかも。だって70年前ですよ！　題名は、世界中の映画好きなら誰でも知っている。「真実の口」でのコミカルなシーンや、ベスパに乗っているシーンなど、これまで何度も目にしてるのに全編を見てはいない…こんな方がたくさんいると思います。考えてみると私も劇場では見ててないかも!?　だからこそ、映画館で気持ちよく芸術を感じるときだと思います。

懐かしい名作で疲れた心を癒やして

ヘプバーンとペックは本当に素晴らしいけど、実は周りの面白い登場人物のおかげで2人がより輝き、ロマンチックな時間を一緒に過ごすことになります。ご存知、ヘプバーンはアン王女を、そして新聞記者のジョーにはペック。このジョーの仲間であるカメラマンのアービングが大好き。エディ・アルバートが演じてます。ジョーとアービングの2人のボケる間と、突っ込む間が絶妙！　少々、古典的なギャグですが私は幸せになります。ロマンス、ユーモア、切なさ、優しさ、そして美しさのすべてがバランス良くお互いを支え合っているからこそ、長く愛されている作品なのではないでしょうか。

アン王女が初めて見る外の世界。髪を切るあの有名過ぎるシーンは誰でも笑顔になりますが、彼女にとっては大きな冒険。それを楽しんでいる姿が可愛らしい。そこにはもちろん、スーツを格好良く着こなすジョーの姿もあります。オードリーの美しさに目が行きがちですが、私はこの作品を初めて見たとき、ジョーに惚れました。最初はスクープのチャンスを狙いアン王女の姿を撮ろうとしますが、惚れてから変わっていく彼の心情が素敵です。キスよりもハグが多いのも私の心をくすぐりました。

相手を強く抱擁することほど素敵なものはない。暑い夏で疲れきった心を、懐かしい名作で癒やすのはいかがですか？　きっと何かが変わりますよ！

LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。