『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』幻冬舎
『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』幻冬舎

『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』著者:西脇亨輔~話題の1冊☆著者インタビュー

西脇亨輔(にしわき・きょうすけ) 株式会社テレビ朝日総務局法務部員、弁護士。1970年千葉県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格し司法修習を修了した後、1995年、アナウンサーとしてテレビ朝日へ入社。『ニュースステーション』レポーター、『やじうまプラス』などの番組を担当後、2007年、同社法務部へ異動。
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――元妻で元テレビ朝日アナウンサーの村上祐子氏と離婚裁判中に、三浦瑠麗氏からそのことを暴露されました。当時のお気持ちは?


西脇 三浦氏の暴露は、元妻から離婚訴訟を起こされた上に、週刊誌で元妻と他の男性との不倫疑惑が報じられた直後のことでした。深く傷ついているときに、そっと進めたかった離婚手続きを暴かれ、さらに「不倫と関係なくこの夫婦は破綻している」などと決めつけられ、心の柔らかい部分をズタズタにされました。


そのまま言われっ放しでうなだれていた方が楽だったとは思います。でもそうしてしまったら、私はもう二度と顔を上げて道を歩くことができなくなる気がしました。「ここまで辱められる筋合いはない」、そう思って負けられない闘いを始めました。


――三浦氏との法廷闘争は1345日にも及びました。勝算はあったのですか?


西脇 勝算は五分五分でした。本にも書いたのですが、私は元アナウンサーと言っても大して知名度はなかったので「慰謝料が発生するほどのプライバシー侵害ではない」という判決の可能性もありました。三浦氏も私について「サラリーマンにすぎない」と攻撃してきましたし、彼女は橋下徹氏が代表を務める法律事務所に弁護を依頼、憲法学者・木村草太氏の意見書も出してきました。

すべて“なかったことに”

でも一寸の虫にも五分の魂といわれるように、三浦氏にとっては「サラリーマンにすぎない」私にも、魂はあります。意地もあります。この三浦氏の主張をどうひっくり返していくかが、法廷闘争のヤマ場の一つでした。

――闘争の記録を残そうと思ったのはなぜですか?


西脇 印税は全額寄付するので、お金が目的ではありません。三浦氏は敗訴が確定しても何のコメントも出さず、この裁判を「なかったこと」にしようとしているようでした。そうはさせてはいけないと思い、筆を執りました。


――三浦氏は夫の横領疑惑でも物議を醸しています。どのように見ていますか?


西脇 私の裁判と同じように今回の疑惑も「なかったこと」にしようとしていると感じます。疑惑との関わりについては依然として十分な説明はないままです。


私との裁判で三浦氏は、反論を受けると主張を突然変えていました。今回の件についても、夫の会社との関係についての説明は三浦氏の以前の著書の内容から変わっているようです。一体何が真実なのか。三浦氏には、自分で選んだメディアではなく公の記者会見の場で、すべてを説明する責任があると思います。 (聞き手/程原ケン)